2020年にコロナ禍が始まって以来、実店舗を設けるビジネススタイルは縮小傾向となり、オンラインサイトなど、非接触型の店舗が増加するようになりました。
動物病院もECショップを展開する医院が増えてきた印象ですが、診療サービスの提供は実店舗を構えて飼い主さんやペットと直に接する「店舗ビジネス」スタイルがやはり主流です。
もしあなたが今後も店舗ビジネススタイルを維持していきたいのであれば、非対面型店舗にはない魅力を飼い主さんに伝える必要があると考えます。
それによって他院と差別化を図ることができるでしょう。
今回は対面型の動物病院を展開する獣医師が押さえておきたいポイントを紹介します。
対面型だからこそ伝えられる動物病院の魅力とは
非対面型の店舗が増加している昨今だからこそ、わざわざ病院まで足を運んでくださる飼い主さんを大切にしてリピーター獲得に努めましょう。そのためにはコミュニケーションを大切にして、あなたの動物病院の魅力を存分に伝える必要があります。ここからは来院時に飼い主さんへ伝えるべき内容を順番に解説します。
①あなたの動物病院の理念と雰囲気
来院した飼い主さんには、まず動物病院のコンセプトと雰囲気を伝えましょう。第一印象が良い動物病院は、そのまま好感を持たれる可能性が高いものです。診療サービスや商品を提供する際には丁寧な説明を心がけると、あなたの誠意が伝わります。コミュニケーションを積極的に取ることで、飼い主さんは心を開きやすくなるでしょう。
もしすべての飼い主さんに同じ話をするのが難しければ、理念を伝える掲示物を作成し、ロビーに貼っておくと良いでしょう。それを目にした飼い主さんがあなたの理念に共感してくれるかもしれません。「また来たい」と飼い主さんが思える院内づくりもまた重要です。
②あなたの動物病院ならではの情報
理念を伝え、共感してもらえたら次にあなたの動物病院でしか得られない情報を伝えるようにしましょう。飼い主さんがリアルの動物病院に求めるのは、そこに行かなければ得られない有益な情報です。型通りの説明だけではなく、あなた自身の考えや獣医師ならではのアドバイスを提供することによって飼い主さんの満足度は増していきます。
③独自の商品やサービス
院内にあなたの動物病院でなければ受けられない独自の商品やサービスがあるとなおよしです。一般には知られていない商品・サービスを提供することがそのままコミュニケーションとなり、飼い主さんとの距離を縮められます。その商品・サービスを飼い主さんが気に入ってくださればリピーターとなり、長い付き合いを期待できるでしょう。また、トリミングやペットホテルといった既存のサービスでも、高い知識や技術を提供することで良質なコミュニケーションが取れるようになります。
店舗ビジネスで押さえておきたいポイント
店舗ビジネススタイルの動物病院の好感度を上げるためには、コミュニケーション以外にも押さえておくべきポイントがいくつかあります。ここから紹介する3つのポイントも頭に入れておきましょう。
一度決めたコンセプトは徹底して守る
数ある動物病院の中からあなたの動物病院を選んでもらうためにはコンセプトを明確にし、それに合わせた病院づくりや商品展開をしなければなりません。コンセプトがころころ変わる動物病院は信頼性が乏しく、頼りない印象となります。新規の飼い主さんに通い続けてもらうためには、あなたの動物病院独自のコンセプトをブレることなく持ち、常にアピールしましょう。
スタッフの教育を忘れない
店舗ビジネスのメリットは、そこで働くスタッフの良さを直接感じてもらえることにあります。コミュニケーション能力の高いスタッフは飼い主さんの心を掴むのもうまく、リピーターを獲得しやすいと言えます。動物病院全体の好感度を上げるためにはスタッフの教育を徹底し、接客の品質向上を図りましょう。特別な診療サービスはなくても、スタッフの感じがいいというだけで懇意にしてくださる飼い主さんはたくさんいらっしゃるものです。
新しい商品やサービスは積極的に取り入れる
まだあまり知られていない新商品やサービスをいち早く体験できるのは、実店舗の強みのひとつです。もし商品のラインナップにマンネリを感じているのであれば、新商品を充実させてみてはいかがでしょうか。新しい商品というだけで飼い主さんに勧めやすくなり、自然とコミュニケーションを取れます。トレンドのものや季節性のある商品をそろえるのもおすすめです。
せっかく実店舗を構えているのであれば、オンラインサイトにはない工夫で集客を行いたいものです。積極的にコミュニケーションを取れる点は、病院を実際に構えている動物病院ならではのメリットです。今回紹介した方法でぜひ多くの飼い主さんを呼び込んでみてください。
