ペンオム紙

動物病院の経営はペットと飼い主さん、すなわち顧客がいなければ成り立ちません。

競合他社がひしめくなかで、あなたの動物病院のリピーターになっていただくためには、できる限り飼い主さんにアプローチをかけて、魅力を伝えていく必要があります。

売り手と買い手が関わる機会のことを顧客接点と言いますが、この接点が驚くほど少ない経営者がいることも事実です。

そこで今回は顧客接点の重要性から接点を増やすメリット、さらには効果的なアプローチ方法までを解説します。

いつもなじみの飼い主さんと診察時に顔を合わせて終わりにしているという方はぜひ参考にしてください。

顧客接点とは

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顧客接点とは読んで字のごとく、企業や組織が顧客と接する機会のことであり、マーケティング業界では「タッチポイント」と呼ばれています。売り手と買い手が接する機会と言えば、まず日々の診療や受付などを思い浮かべるかもしれませんが、接点の範囲は非常に多岐にわたります。

例えば看板広告やチラシ、また電話なども立派な顧客接点ですし、ホームページやSNSといったオンラインでの情報発信も立派な顧客接点です。オフラインでは直接顧客とコミュニケーションが取れますが、オンラインであれば場所や時間に関わらず顧客にアプローチできるなど、それぞれに異なるメリットがあります。どちらか一方に偏るのではなく、オンラインとオフラインの両方の顧客接点を意識して、それぞれのメリットを活かしましょう。

顧客接点を増やすメリット

顧客接点を増やすと業務量が増えるのではないかと心配している方も少なくないかと思います。しかし、私はできる限り顧客接点は多く用意して飼い主さんとの関係を築くべきだと考えます。ここでは顧客接点を増やすメリットを紹介します。

飼い主さんのニーズを把握しやすくなる

飼い主さんと向き合う機会が増えれば、自然と相手のニーズを耳にする機会が増えるはずです。ニーズを理解できていることで、顧客層に合った商品の開発やキャンペーンの実施を行いやすくなります。適切なマーケティング活動を行うことで売り上げアップを期待できます。

集客力をアップできる

例えばSNSやブログで動物病院の情報を発信したり、チャットボットで飼い主さんの疑問を解決できたりすると病院への信頼度が増し、足を運んでくれる飼い主さんが増えていくでしょう。特にオンラインで顧客接点を持とうとする動物病院はまだまだ少ない印象です。そこに目をつけて始めることで、他院との差別化を図れます。

顧客対応が変わって満足度が増す

顧客接点の回数が増えれば飼い主さんとのコミュニケーションが円滑に進み、ニーズや質問にもスピーディーに対応できるようになります。フィードバックを受ければ、あなたの動物病院の改善点を見つけることもできるでしょう。その結果として、顧客満足度が高まり、口コミが広がって来院者数の増加につながります。

顧客接点を増やす方法

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それでは具体的にどのような方法で顧客接点を増やしていけばよいのでしょうか。いくつかのステップに分けて紹介します。

①まずは増やすべき顧客接点を考える

受付や診察だけでは、飼い主さんと接点を持てる時間がどうしても限られてしまいます。短時間で飼い主さんと深い関係を築くのは相当ハードルが高いでしょう。それも顧客接点を増やしていけば、少しずつでも仲が深まるはずです。SNSで飼い主さんとのコミュニケーション機会を増やすのであれば、スタッフの誰がいつ、どのような投稿をするのか、綿密な計画を立ててみましょう。

②顧客と接点を持つスタッフの役割分担をする

顧客接点を増やすことになれば、どうしてもあなたを含むスタッフの負担が増えるものです。一部のスタッフに業務が集中しないように、SNS投稿をするのはこの人、チラシを作成するのはあの人、といった具合に役割を分担しましょう。

③顧客接点のフィードバックは必ず行う

実際に顧客接点を図った時の反応はさまざまです。喜んでくださる方もいれば無反応な方、時には迷惑がられることもあるかもしれません。どのような反応であっても、必ず飼い主さんの反応をスタッフに共有して、反応が良くなかったものについては改善点を考えましょう。トライアンドエラーを繰り返すことで、飼い主さんのニーズに合った接点を見つけられるはずです。

顧客接点を用意するときの注意点

顧客接点を増やすときの注意点は主にふたつあります。ひとつはどうしても手間やコストが発生する点です。SNS投稿のように無料でできるものであったとしても、頻繁に更新するとなればスタッフの負担も増えます。チラシなどの広告を打てば出稿費用もかかるでしょう。この辺りは本業とのバランスを見ながら、適切な接点を考える必要があります。

もう一点は、接点によってサービスの差を出さないようにすることです。たとえ接点を増やしても媒体によって不公平感を覚えるようであれば、信頼度は上がっていかないでしょう。それぞれのクオリティを均一にして、気持ちの良い接点を作るようにしてください。

顧客接点を意図的に多くすることで、飼い主さんのニーズをこれまで以上に深く理解できるようになります。最近飼い主さんと話す機会が減っていると感じる方はぜひ実践してみてください。

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