会社でも動物病院でも、自社の強みを知って最大限にアピールしている企業・病院は売り上げを拡大しやすいと考えられます。
あなたの動物病院の強みはどこにありますか。
また、その強みは果たして本当に正しいものでしょうか。
今回はあなたの強みを徹底的に磨くために知っておきたいフレームワークについてお話しします。
自分自身の動物病院の強みを正しく理解してこそ、ブラッシュアップにも力が入るものです。ぜひ参考にしてください。
SWOT分析を使って動物病院の強みを明確にしよう
まず、あなたの動物病院の強みをもう一度洗い出しましょう。ここでポイントとなるのは、ただ良いと思うところを列挙するのではなく、SWOT(スウォット)分析と呼ばれるフレームワークを使って、正しく強みを導き出すところです。
SWOT分析とはトレンドや競合他社といった外部環境と、自社の強みや価格といった内部環境をそれぞれプラスとマイナスに分けて、マーケティングや戦略設計に役立てる方法を言います。
例えあなたの動物病院がトリミングサービスを強みだと思っていても、近辺にトリミングを必要とするワンちゃんが住んでいなければ、来院者数の増加は期待できませんよね。このように自院の強みは、内部環境だけではなく外部環境によっても決められるものです。このデリケートな部分を明確にするときにもSWOT分析は役に立ちます。
SWOT分析の方法
SWOT分析の「SWOT」とは、
- S=Strength(強み)
- W=Weakness(弱み)
- O=Opportunity(機会)
- T=Threat(脅威)
です。
プラス要因 | マイナス要因 | |
内部環境 | Strength(強み) | Weakness(弱み) |
外部環境 | Opportunity(機会) | Threat(脅威) |
上記の表のように区分して考えてみましょう。強みと弱みとしては
- 価格や品質
- 設備
- 立地
- サービス
- 技術力
- 認知度
機会や脅威としては
- 競合の存在や状況
- 景気や経済情勢
- 政治
- 法律
- 市場規模や成長性
などを入れるようにしてください。内部環境は外部環境に影響を受けることが多いため、まずは機会・脅威から書き込むようにしてください。
SWOT分析の注意点
SWOT分析を行う際には、いくつかの注意点があります。まず目的を明確に設定すること。あなたの動物病院の強みを明確にして、どのような改善を図っていきたいのかを考えてからフレームワークに取り組みましょう。
また、広い視野で強みや弱みを見つけるために、あなた一人ではなく複数名のスタッフにも参加してもらって取り組みましょう。あなただけでは気づかなかった強みや弱点に気づけるかもしれません。また、強みや弱みに置いたものには、反対にメリット・デメリットが存在することを頭に入れておきましょう。万能だと思っていた強みや弱みが、外部環境の変化によって変わることはよくある話です。外部環境に変化が生じた際には、SWOT分析をやり直すことをおすすめします。
強みを理解できた後のアクション
SWOT分析が完成したら、そこで終わりにしてはいけません。分析から得た結果をもとに、強みをさらに伸ばしていく施策を考えましょう。強みを活かすためには、その強みが生きる場を多く設計することです。わかりやすく言えば、トリミングサービスに強みがあると思ったら、トリミングキャンペーンを実施したり、広告でトリミングの存在をアピールすると有効です。来院者が増えればトリミングをする機会も増え、スタッフのスキルもどんどん上がっていきます。
また、あなたの動物病院ならではの強みに対して、ありがたみを感じてくれる人に集中してアピールしていくことも効果的です。トリミングが必要ではないペットを飼っている飼い主さんに、トリミングをアピールしても意味がありませんよね。業務を効率化するためにも、ターゲットを絞っていくことは、強みを伸ばすためには必要です。
そしてもうひとつ。強みが複数ある場合、それらを掛け合わせて、強みをアピールしてみてはいかがでしょうか。例えばトリミングとペット用シャンプーの販売が得意であれば、このふたつを組み合わせて、「ダブル購入キャンペーン」などと打ち出すと良いでしょう。トリミングとシャンプーそれぞれの魅力を購入者様に理解してもらえるようになり、自分の動物病院のファンをさらに増やしていくことができます。ひとつだけ見ればよくある強みかもしれませんが、掛け合わせていくことで希少価値のある強みとなっていきます。
強みを徹底的に磨くためには、まずはあなたの動物病院の強みを正しく理解しなければなりません。今回紹介したフレームワークを用いて、一度自分の動物病院の課題と良さを見直してみてはいかがでしょうか。磨くべき強みと方向性が定まるはずです。