人は1日の間で、無意識のものを含めると約35,000回もの決断をしていることをご存知でしょうか。
今日着る服のコーディネート、朝食の内容、仕事の指示、商品の選択など、仕事・プライベート問わず、日常生活は選択の連続といえます。
ひとつひとつは大したことがないように思えても、決断をする際には少なからずウィルパワー(意志の力)が使われていて、それが脳を疲弊させているのです。
小さな選択のひとつひとつに脳を使い過ぎてしまうと疲れ切ってしまい、大切な決断を下す際に判断ミスを犯すことがあります。
そのようなことがないように、シンプルな物事の思考癖を身に付けておくことが重要です。
今回はシンプルに物事を考えるクセの身に付け方について考えていきたいと思います。
シンプルに物事を考えるメリット①脳の選択疲れを予防する
前述の通り、私たちは日々選択を繰り返しています。当然のことながら、選択が多ければ多いほど脳は疲弊するものです。その判断内容が複雑であればあるほど脳の疲労度は増します。脳に疲れが蓄積されていると判断力も鈍り、重要な決定事項のときに正常な判断ができなくなってしまうのです。
このことに気づいていたAppleの創業者である故スティーブ・ジョブズ氏は、洋服のコーディネートをパターン化して、余計なことに脳を使わないようにしていたと言います。黒のタートルネックにブルージーンズという彼の組み合わせは、よく知られていますよね。
ここまで徹底をする必要はありませんが、普段考えすぎて疲れているなと感じているあなたは、日常の中からひとつ選択事項を減らしてみてはいかがでしょうか。朝食のメニューやテレビのザッピングなど、些細な選択事項を減らすだけで、少しだけ生きやすさを感じられるようになるかもしれません。
シンプルに物事を考えるメリット②自分の意思が伝わりやすくなる
あなたが複雑に考えている物事を、周りも同じように考えているとは限りません。もしかしたらもっと単純に考えられている可能性もあります。そのような相手に、わざわざ物事を複雑にして伝えても、あなたの意思が伝わらない可能性があるでしょう。
このようなすれ違いが起きると、あなた自身は自分の意思が伝わらずにイライラするでしょうし、相手も「何が言いたいのかわからない」とモヤモヤした気持ちになります。
これではコミュニケーションがうまくいくはずがありません。
自分の気持ちがうまく伝わらないと感じたら、もう少しシンプルにかみ砕いて伝えてみてはいかがでしょうか。それだけでお互いのストレスが軽減されます。
シンプルに物事を考えるメリット③失敗をおそれずに済む
物事を複雑に考えすぎる人は慎重になりすぎるがあまり、新しいことにチャレンジするにも人より時間を要します。確かに経営者である以上、ときには慎重な判断も求められますが、判断に時間をかけすぎるとライバルに先を越されてしまうことも。その時になって後悔しても後の祭りです。ある程度計画をしっかり練っているのであれば、ときには直感に頼ることも必要です。自分が良いと思ったものを貫き通す、シンプルな思考こそが成功につながっていくのではないでしょうか。
シンプルな考え方の身に付け方①メールのチェックは数回に収める
複雑な考え方が身についてしまっているあなたが、ゼロから思考を変えるのは難しいものです。まずはルーティンワークから見直して、物事の考え方の癖を見直してみることをおすすめします。たとえば、メールやSNSのチェック。多くの人がこれらのチェックをルーティンにしているかと思いますが、それにばかり気を取られているとストレスが知らず知らずのうちに溜まります。
メールのチェックは朝一番と昼休み、そして営業終了後すぐの3回程度で問題ないと、個人的には考えています。時間だけを決めてルーティン化しましょう。ルーティン化することで、チェック忘れの予防が可能です。
シンプルな考え方の身に付け方②商品の数を調べる
あなたは「ジャムの法則」というものをご存知でしょうか。スーパーに24種類のジャムを並べたときと、6種類のジャムを並べたときでは、後者のほうが売り上げが多かったというものです。人はあまりに選択肢が多すぎると選択を敬遠してしまうことが、この法則からわかります。
商品が多いことは一見魅力的なように思えますが、度が過ぎると飼い主さんが購入を敬遠してしまいます。今商品が多すぎると感じているのであれば、人気の商品数種類に絞ってみてみてはいかがでしょうか。飼い主さんの商品選択の思考がシンプルになり、動物病院側も商品管理がいくらか楽になるはずです。
思考をシンプルにすることで、知らず知らずのうちに感じていたストレスが軽減され、心も体もリラックスできます。最近疲れているという方は、まずは思考をシンプルにするところから始めてみてはいかがでしょうか。今回紹介した方法をぜひ実践してみてください。