数年前から、テレビCMでも、YouTube広告でも、連続したストーリー展開の広告が流行していますよね。某携帯電話会社のCMは、その典型例と言えるでしょう。最初から見ている人にとっては、次はどのような展開になるのか、登場人物の関係性がどのように変わっていくのか、楽しみなものです。
しかし、その一方で連続広告は、途中から見始めた視聴者から敬遠されてしまいがちであることも事実です。少なくとも動物病院の広告では、いつ誰が見てもわかりやすいような広告にすることをお勧めします。今回は理想的な動物病院の広告展開について考えていきたいと思います。
ブログ広告は初めての人も分かりやすいようにする
動画広告やCMを展開している動物病院は、ほとんど存在しません。連続広告を展開している動物病院の多くは、ブログで自分たちの動物病院をアピールしているものです。私が経営する動物病院でも、定期的にSNSやブログで動物病院の様子をお伝えしています。
ブログを書いているのは私自身だったり、スタッフだったりしますが、必ず初めて見る飼い主さんの目を意識して書くようにしています。ひとつ前のブログを読まなければ意味がわからないものだと、わかりづらいうえに、過去に遡って読み直すのがめんどくさいと感じられてしまうためです。
ブログであっても、広告はあくまで広告として、いち記事内で完結するように心がけてください。私がお勧めしているのは、広告のテンプレート化です。自分の動物病院の特徴やアピールポイントを定型文化して、毎回ブログの最後に挿入します。これだけで端的に情報を伝えられますし、何より毎回書く手間が省けます。初めて見た人でも、すぐに自分の動物病院の内容を理解してもらえます。
「前述したように」の記述はNG
最近はWeb広告を出稿する動物病院も増えてきています。多くの情報を載せられるWeb広告では、たくさんの情報量を伝えようとする人が少なくありません。コラムやノウハウなどのコンテンツの最後に広告をつけている方もいます。
このような場合、記事の途中で「ここまでで説明したように~」や「前述した通り~」と、しばしばまとめている人がいますが、これはあまりお勧めできません。途中の見出しから入ってきた読者が、「いちから読み直さないといけないのは面倒」と思われてしまう恐れがあるためです。このフレーズはなるべく避けるようにしてください。
シンプルなデザインとキャッチコピーが結局ベスト
大きな反応を期待して、無理やりストーリーを考えたような広告がありますよね。私の中でも思い当たる広告が、いくつかあります。しかし、気をてらった広告には、中身がともなっていないものも少なくありません。「とりあえず読んでみたけれど、何を伝えたいのかがわからない」という広告が、それにあたります。
動物病院に来る人のほとんどは、動物病院にユーモアを求めているわけではありません。ペットに対する獣医師の真摯な姿勢や、接客態度を求めているものです。何を伝えたいのかわからない、浮ついた内容の広告であれば、その誠実さも伝わりません。
あなたの動物病院の魅力を伝えるのであれば、シンプルでもわかりやすい広告をまずは心がけましょう。色やデザインも奇抜なものではなく、動物病院が持つあたたかみを伝えられるようなものがベストです。
広告のテーマは常に統一する
ストーリー仕立ての広告ではなくても、定期的に広告は更新していくと良いです。毎回同じ広告であると、飼い主さんを飽きさせてしまいます。新しい広告を打ち出す際にもテーマは毎回統一するように心がけてください。
前回の広告はさわやかなイメージだったのに、次の広告は高級感のある、スタイリッシュな広告にしてしまうと、動物病院へのイメージが定まらず、見た人の印象には残りません。文字のフォントやレイアウトなども統一していると、「あ、あの動物病院新しい広告を出したんだな」と感じてもらえます。
キャンペーンは「第〇弾」でアピールをしよう
ダイレクトメールを年に何回か送っている動物病院も多いかと思います。ダイレクトメールは立派な広告のひとつです。実際にDMでキャンペーンを告知している企業も見られます。
定期的にDMを送っている動物病院であれば、「キャンペーン第〇弾」という一言を添えてください。あなたの動物病院がどの程度の頻度でキャンペーンを実施しているかがわかり、今後に期待してもらえます。
連続広告はストーリーを楽しめる一方で、内輪ノリの印象が強く、初めて広告を見る人には取っつきにくい印象があります。これから新規顧客を増やしていきたいと考えている方は、初めての人にもわかるような広告づくりを意識してみてください。アットホームな雰囲気の広告であると、より身近な存在に感じてもらえるはずです。広告を出稿する際や、SNS投稿を考えている方はぜひ参考にしてください。