動物病院の会議におけるプレゼンのルールシリーズ、今回は第三弾です。
ここまでは短時間会議やスタンディング会議を勧めてきましたが、どのような会議であっても、資料は欠かせない存在です。
しかし、この資料というものがなかなかの曲者。
たくさんあれば読むのも大変ですし、当然ながら作り手側の手間もかかります。
資料が少ないと「手抜き」に思われてしまうような気がして、スタッフも頑張ってしまうのですね。
しかし、これではいつまで経っても会議の効率は改善されません。
本当に短時間会議で役立つ資料とは、一体どのようなものでしょうか。
今回は動物病院の社内会議で重宝される資料作りのコツを紹介します。
短時間会議ではA4一枚の資料で十分!
結論から言うと、動物病院内で行われる短時間会議であれば、A4サイズ1枚の資料ですべて事足ります。会議だからといって、気合いを入れてプレゼン資料を作るスタッフがいますが、これでは資料作りにばかり時間が割かれて、本業がおろそかになってしまいます。
せっかく作り上げたとしても、会議参加者は長すぎる資料を読む気にはなれず、読んだとしてもすぐに内容を忘れてしまうでしょう。もうひとつ言えば、SDGsが叫ばれているこの時代に、大量の紙資料というのは資源の無駄と言う他ありません。30分以内におさまるような会議であれば、A4サイズの資料一枚で十分です。これからはA4一枚にまとめるルールを徹底してみてください。
作る前にまずは構成をじっくり練ること
資料を作る際、WordやPowerPointを立ち上げて、思いついたことをどんどん書いていく人がいますが、これはNG行為です。この方法では、文章が冗長になってしまったり、ポイントを押さえきれなかったりして、あっという間にA4一枚分のスペースをオーバーしてしまいます。限られたスペースに必要な情報をすべて盛り込むためには、まず情報の取捨選択を行わなければなりません。
そのためにはまず大まかな構成を決めて、本当に必要な情報を絞り込むようにしましょう。この作業をきちんと行うことで、取り入れるべき情報や会議の方向性も定まり、短時間で資料を完成させられます。読みやすく、わかりやすい資料は参加者に良い印象を与え、モチベーションアップにも有効です。論点がまとまっているため、会議の進行もスムーズになるでしょう。
A4一枚の資料に盛り込むべき要素は6つ
話し合いたいことがたくさんあって情報を紙1枚にまとめきれないというときには、以下の6つの要素を意識して、箇条書きで紙に書き出してみましょう。
6つの情報とは、
- 背景
- 目的
- 提案
- スケジュール
- 体制
- 課題
のことです。
具体的に言えば、その会議で取り上げる課題が発生している「背景」、そしてその課題のために何をすべきか(目的)、何ができるのか(提案)をまずは挙げます。そしてその提案を実行する「スケジュール」や「体制」、そしてその過程で起こりうる「課題」を明確にしましょう。この順番に描くだけで、論理的な資料ができあがるはずです。
添付資料は別途送信する
A4一枚におさまりきらない補足資料は会議の前後に共有するなどして、会議本番で使用する資料とは分けておきましょう。長すぎる資料を読むのは負担がかかるものですが、情報不足では不親切な印象です。こちらも紙にまとめようとすると時間がかかるため、参考URL などをまとめてWeb上で共有すると良いでしょう。ペーパーレスにもつながって、読み手もすぐに必要な情報を見つけることができます。
資料を作成するときに押さえておきたいポイント
会議の資料は短くまとめることも重要ですが、パッと見た時の印象も非常に重要です。細かい字が並んでいたり、モノクロで地味な印象だったりすると、読み手の好奇心を煽ることができません。
PowerPointやWordを使う時には、フォントや色使いなどの工夫をする必要があります。まず、フォントとしてはMS P明朝やMSPゴシック、メイリオなどがわかりやすく、読む人の目を疲れさせません。瞬時に認識しやすいところも魅力です。反対にゴシック文字などは丸みのある印象で、会議にはやや不向きです。
資料全体の色使いにも気を配りましょう。わかりやすく、伝わりやすい資料づくりには、配色が重要です。しかし、あまりにもたくさんの色を使うと、かえって読みにくくなります。資料で使う色は3色に絞って、一番大きな面積を占める「ベースカラー」、見出しや主張したいときに使う「メインカラー」、そして特に強調したい部分に使う「アクセントカラー」を考えましょう。色使いについては、過去のブログでも紹介しているのでぜひ参考にしてください。
また、文字だけでは人の目が疲れてしまうので、グラフや表、ちょっとしたイラストを入れるなどして、文字でぎっしりという印象を与えないようにしましょう。
A4一枚で完結する資料は、Amazonやソフトバンクでも採用されている施策です。これまでの常識だった長文の資料を少し変えてみることで、驚くほど会議の効率が良くなるはずです。あなたの動物病院の会議にもぜひ取り入れてみてください。