突然ですが、あなたの動物病院の広告は、本当に届けたい人に届いていますか?動物病院に限った話ではありませんが、広告を打ち出す以上、訴求するターゲットを定めなければなりません。動物病院の広告なのに、ペットを飼っていない人を想定して出すわけにはいきませんよね。
しかし、最近はターゲットを選定しただけでは、思うような広告効果を得られないことがあります。ライフスタイルが多様化するなか、広告もより詳細なターゲットを設定する必要があると考えます。
今回は広告を打ち出す時のターゲットの決め方について紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてください。
今の時代に求められるのはターゲットではなくペルソナ設定
突然ですが、動物病院の広告の読者を設定する際に、どのような読者を想定していますか。
「ペットを飼っている人」「自分の動物病院の近くに住んでいる人」くらいのことは、誰でも想定できますよね。このザックリとした設定は、いわゆる「ターゲット設定」と呼ばれるものです。
しかし、動物病院の数が増え、飼い主さんのライフスタイルやペットの種類も多様化するなか、このザックリとしたターゲット設定では、広告を出してもまったく響かないことがあります。例えば、比較的裕福な家庭で、動物病院にも高級感を求めている飼い主さんに対してアットホームさや格安さな料金設定を打ち出しても、さほど響かないでしょう。逆もまた然りです。
こういった失敗を予防するためには、ターゲット設定ではなくペルソナ設定が有効です。このふたつはよく似ているように思えますが、実はまったく訴求力が違います。ペルソナ設定では、性別や年齢層・居住地・職業・家族構成など、徹底的に読者を絞って考えていくことになります。例を挙げると、「佐藤花子、35歳、共働き、トイプードルを飼っており、健康志向でトリミングにもこだわりがある」くらい具体的にするのが理想です。こうすることで、すべての人に響かなくても、ニーズがある人にはダイレクトにアプローチすることができます。他の動物病院との差別化にもつながっていくはずです。
飼い主さんのリサーチの方法については、以下の記事で触れていますのでぜひ参考にしてください。
広告のペルソナ設定方法
ペルソナを決める前には、まず自分の動物病院の強みや弱みを見直してみましょう。自分の動物病院にアットホームな雰囲気や利便性の良さといった魅力があったとします。その場合、どのような人に訴求できるのでしょうか。
- 車を持っていない人
- 免許を返上している高齢者
- 自分の動物病院の徒歩圏内に住んでいる人
- 高級感よりも温かみを重要視する人
と考えられます。
このように、自分の動物病院の強みを魅力に感じてくれそうな読者を想定して詰めていきましょう。しかし、獣医師やスタッフ目線では自分の動物病院の魅力に気付けないことがあります。飼い主さんの立場に立った時、どのような点に魅力を感じられるのか、院内アンケートを取って、考えていくと良いでしょう。
自分の強みを理解できたら、次にペルソナを設定していきます。ペルソナには、職業・年齢・性別・住所・家族構成などといった「属性」と呼ばれるものと、悩みや性格・価値観などといった「パーソナリティ」のふたつがあります。また、ライフスタイルや人間関係なども重要な要素です。属性を明確にしたら、そこから性格やライフスタイルを想定し、ペルソナを絞り込んでいくようにしましょう。この過程が非常に重要です。自分の動物病院の既存顧客に多い傾向を考えて、ペルソナを想定していくのもおすすめです。
ペルソナを決定するときの質問例
・年齢層は?
・居住エリアは?
・どんな種類のペットを飼っているか?
・何を重視して動物病院を選ぶか?
・どんな情報に関心があるか?
これらの質問をまとめ、アンケートとして飼い主さんに配布してみましょう。何枚か配って記入してもらうことで、あなたの動物病院の顧客層がわかり、ペルソナが決定しやすくなるはずです。ペルソナが決定すれば広告のメッセージがより具体的になり、共感を呼びやすくなるでしょう。結果として無駄な広告費が削減され、集客力アップにつながる可能性があります。
飼い主さんへのアンケートの取り方については、以下の記事が大変参考になりますよ。
関連記事:動物病院の広告はアンケート調査で最大限の効果を狙おう!
他にもペルソナ設定については、以下の記事で触れていますのでぜひ参考にしてください。
関連記事:ペルソナづくりはマーケティングの基本!作り方を徹底解説
スタッフや広告代理店に共有する
ペルソナが定まったら、それをスタッフや広告代理店に共有しましょう。一緒に広告を打ち出す仲間にペルソナを周知できていなければ、広告の方向性がズレてしまいます。このときにスタッフや広告代理店から意見が出たら一度聞き入れて、都度ペルソナを修正していきましょう。客観的な意見を仰ぐことが、質の高い広告につながっていきます。
たとえペルソナがしっかりしていても、その人に訴求できそうな広告内容でなければ、読者の心をつかむことはできません。アットホームな動物病院であることを前面に打ち出すのであれば、温かみのあるイラストやキャッチフレーズの掲載が理想的です。反対に高級感を打ち出すのであれば、モノトーンを基調にしたスタイリッシュなデザインが良いでしょう。
広告代理店に依頼するときには、イメージを伝えるだけで理想的なプランを提案してもらえます。自分たちで広告を打ち出す場合は、自院と似たコンセプトを持つ動物病院の広告を参考にしましょう。文字のフォントやレイアウトを変えるだけで、読者に与える印象は変わってくるはずです。
広告代理店との連携不足が方向性にズレを生み出すことも!
せっかく時間をかけてペルソナを設定しても、その情報が関係者に共有されていなければ、広告の効果は半減してしまいます。例えば、あなたが「初めてペットを飼う、不安を抱えている若い夫婦」というペルソナを設定し、丁寧に寄り添う姿勢や、初めての飼い主向けのサポート体制をアピールしたいと考えたとします。
しかし、広告代理店にペルソナが十分に伝わっていないと、スタイリッシュな写真と専門用語が並ぶ、経験者向けの広告を制作されてしまうかもしれません。それを見たペルソナ層は、きっと「なんだか難しそう」「自分たちには場違いかもしれない」と感じてしまうでしょう。
そのようなことがないように、広告代理店にはペルソナの背景にある不安やニーズ、そして病院が提供したい安心感をしっかりと伝えるようにしましょう。
想定読者は定期的に見直そう
想定読者は一度決めて終わりにしてはいけません。時代の流れや住環境の変化でいくらでも変わっていくものです。スタッフが入れ替わったり、売上に変化が見られたりと、なんらかの変化が起こった際には、一度ペルソナも見直してみましょう。そして、ペルソナが変わったとしたら、それに合わせて広告も変えていかなければなりません。臨機応変に対応していくことで、時代の流れに取り残されない動物病院づくりをすることができます。
ペルソナを設定することで、自分の動物病院の方向性が見えてくるはずです。広告作りはもちろん、院内のインテリアやキャンペーンの内容を考える際にも、ぜひ参考にしてください。
最後に広告作りのポイントがわかる記事を紹介しますので、時間があるときに読んでみてください。