せっかく来院してくださった新規の飼い主さんには、なんとかしてリピーターになってもらいたいものですよね。
以前、新規の飼い主さんにリピーターとなってもらうためには、既存顧客に継続していただくコストの5倍がかかるとお伝えしましたが、それでも新規顧客開拓を行わなければ、いつまで経っても顧客数は増えていきません。
あなたは今、新規の飼い主さんに対するフォローアップをどの程度行っていますか?
もしほとんど行っていないということであれば、この機会に一度見直すべきだと考えます。
そうとは言っても、まだあなたの動物病院にどのような感情を抱いているのかわからない新規の飼い主さんにアプローチをかけるのはなかなか難しいものです。
そこで今回は新規の飼い主さんを対象にした顧客フォローの方法についてお話したいと思います。
一度来て以来足が遠ざかっている休眠顧客をたくさん抱えている院長はぜひ参考にしてください。
新規の飼い主さんにアフターサポートが必要な理由
既存の飼い主さんだけではなく、なぜ新規の飼い主さんにもアフターサポートをする必要があるのでしょうか。ここでは主な3つの理由を紹介します。
品質やサービスの向上に役立つ
既存の飼い主さんの存在はありがたいものですが、付き合いが長いほど評価が甘くなる傾向にあります。あなたの動物病院に多少の欠点があったとしても、他の動物病院との違いに気づかずに流されてしまうことが多いのです。
これではいつまで経っても動物病院の改革が行われません。時には厳しくてもきちんと欠点を指摘してくれる飼い主さんの存在が必要だと考えます。新規の飼い主さんは他の動物病院にも精通していることが多く、そちらと比較しながら改善点を指摘してもらえるでしょう。新しい動物病院の事情を教えてもらえるかもしれません。
新規の飼い主さんが来たらアンケートに回答してもらうなどして、積極的に意見を募りましょう。
新規の飼い主さんと信頼関係を築ける
新規の飼い主さんとは、まだ信頼関係を築けていない状態ですよね。こちらからアプローチをかけなければ、一度きりの付き合いとなってしまうこともあるでしょう。次回の来院へとつなげることができるように、来院からしばらく経ったらこちらからコンタクトを取って、動物病院の存在を思い出してもらうようにしてください。電話ではなく、メールやハガキでも構いません。次回の来院がお得になるクーポンを貼付すると喜ばれるでしょう。「自分のペットのことを気にかけてくれる親切な動物病院」と認識されると、直接顔を合わせていなくても信頼関係が構築されていくはずです。
新しい飼い主さんを紹介してもらえる可能性がある
これまで既存の飼い主さんから紹介を受けていた方も、新しい飼い主さんに気に入ってもらえれば、そこからまた紹介の間口が広がっていきます。特に新しい飼い主さんがあなたの動物病院にあまりいない年齢層やエリアにお住まいの方であれば、新しい顧客層の開拓につながっていくものです。そのためにもぜひ新規顧客のフォローには力を入れていきましょう。
新規の飼い主さんに行うべきアフターサポート
ダイレクトメールや電話などのサポートも有効ですが、せっかくであれば新規の飼い主さん限定のフォローを行いたいものです。ここでは新規の飼い主さんだからこそ行うべきアフターサポートについてお話します。
購入いただいた商品の感想を聞いてみる
新規の飼い主さんには診療サービスを受けてもらうだけではなく、シャンプーやトリートメントなどの物品を購入してもらえるように努めましょう。難しければ、おすすめ商品のサンプルをお渡しするようにしてください。そして、その商品をきちんと使ってもらえるようなフォローを忘れないようにしましょう。商品をお渡しする際にはただ説明書を渡すだけではなく、使い方も伝えるようにしてください。
動物病院の商品に限ったことではありませんが、世の中には商品を購入したら満足して終わり、という方が少なくありません。その状態ではリピーターになってもらうことも難しいでしょう。購入後には一度連絡して使用感や問題点をヒアリングすると、積極的に使ってもらえるようになります。ただし、あまり頻繁に連絡をすると煩わしさを感じさせてしまうため、程よい頻度で連絡をしましょう。
新商品やワンランク上の商品を紹介する
購入いただいた商品の感想を聞いた後、感触が良ければ新商品やランクアップ商品の紹介もぜひしてみてください。既存の商品の良さを知っていることで、新規の飼い主さんでも次の商品に手が出しやすくなるはずです。
また、商品に関する新しい情報があれば、そちらも合わせて伝えるようにしてください。「わざわざ新情報を教えてくれる親切な動物病院」と、信頼を寄せてくれるかもしれません。
新規の飼い主さんは離れてしまいやすい存在であるからこそ、丁寧なアフターサポートやフォローが必要と考えます。今回紹介した方法で、新規顧客を優良顧客へと育成できるように意識してみてください。きっと反応が変わってくるはずです。