今回は多くの動物病院が取り入れている、DMのオファーについてお話ししたいと思います。皆さんはどのようにDMを送っていますか。郵送の方もいれば、Eメールで送っている人もいて、ほとんどの方がノベルティのプレゼントや割引キャンペーンなど、飼い主さんが来たいと思える特典をお付けしているかと思います。

このような、ターゲットに対して来院を促したいと思える動機づけをしてくれる情報や価値を「オファー」と呼びます。「そんなの簡単でしょう」「割引やプレゼントをつければいいだけだから誰でもできる」と思われがちですが、実はこのオファーはなかなか奥が深いものです。

今回は効果的なオファーや、その種類について紹介していきます。

動物病院で使えるオファーの種類

cat on dining

業種によってマッチするオファーの種類は異なりますが、動物病院でよく見られるオファーは以下の4つに分けられます。

①金額オファー

最もわかりやすいオファーで、金額を下げたり、キャンペーン価格を提供したり、キャッシュバックを用意したりするものです。オンラインショップの場合は送料無料も定番のオファーとなっています。お得になる金額が分かりやすいだけ、取り入れやすいと言えるでしょう。

お金は直接関係ありませんが、分割払いの手数料を無料にしたり、複数の支払い方法を用意したりするといった、支払い方法や回数に注目したオファーもあります。

②プラスアルファオファー

「●●をご購入の方に✕✕をプレゼント」などといった、プラスアルファのプレゼントを提示するオファーです。自社のオリジナル製品など、プレミア価値が高いものほど集客効果を期待できます。お金で買えない価値があるだけに、ファンを増やすために有効な施策と言えるでしょう。

③期間オファー

「●月✕日から✕月●日まで、◎◎がキャンペーン価格に!」など、期間限定であることをウリにしたものも立派なオファーです。期間オファーは金額オファーと組み合わせて使われることが多いと言われています。

④保証オファー

「ご満足いただけない場合は、購入してから半年間、全額返金を保証します!」は、通販番組でよく見かけるオファーです。ただし動物病院の場合、基本的には動物の治療がメインで、納得いただけなくても取り返しがつかない治療やサービスがあります。安易に保証オファーを取り入れてしまうのは、やや危険な行為かもしれません。

 

このほかにも懸賞の応募券をつけたり、キャッシュバックを行ったり、サンプリングの提供をしたりと、オファーの種類はさまざまです。DMが一般に浸透している昨今、オファーがひとつだけでは物足りないと感じる人も。金額オファーと期間オファーの組み合わせは代表的なものですが、複数のオファーを組み合わせるとより魅力的なDMになります。ただし、オファーはあまりにつけすぎると収支が悪化したり、抜け道を見つけて悪用されたりすることも。そうならないよう、やり過ぎには注意しましょう。サービスが良すぎると、かえって「あやしいのでは…?」と思われてしまうこともあります。

DMにオファーが必要な理由

DMにオファーが必要であることは、「DMメディア実態調査2023」の結果から読み取れます。この調査では、サービスを利用したり、商品を購入したりしたことがない企業からのDMでも、その内容がクーポンやキャンペーンのお知らせであれば、約半数の人が開封すると答えているのです。これはイベントの告知や新商品発売の文言よりも訴求力が高く。必ず入れるべきといえるでしょう。

DMには、発送先の選別、オファー、そして内容という3つの要素があり、成果の出るDMを作成するためには、これらの要素を重視しなければなりません。オファーを考えることによって、集客効果は大きく変わってくると考えられます。

DMに必要な要素とは

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オファーの有るDMとオファーの無いDMでは、効果が大きく変わります。しかし、だからといってオファーさえつけていれば、必ず成功するかと言えばそうではありません。DM を成功させるためには、郵送相手やタイミング、またデザインやテキストなどのクリエイティブの部分も工夫しなければならないからです。

たとえばどんなに魅力的なオファーをつけたとしても、動物を飼っていない人にDMを送っていたら、ほぼ意味はありません。クリエイティブにしても、あまりにデザインが地味だったり、長文で埋め尽くしていたり、反対に情報量が少なかったりするDMも敬遠されてしまいます。

郵送先やクリエイティブを考えるときにはマーケティングや文章、デザインなどセンスや知識が求められます。そして、それらはすぐに身に付くものではありません。

しかし、タイミングを何度か送ればいいだけで、特別なテクニックは不要です。あるとき、飼い主さんの心に届くこともあるはずです。そのため、DMは一度出したら1年間は定期的に出すようにしてみましょう。

最初届いたDMには惹かれなかった人も、2回目のDMをきっかけに来院してくれるかもしれません。1年間定期的にDMを出すことで、来院者が増えやすい時期が見えてくる可能性もあります。そうなればよりDMを送りやすくなるはずです。

オファーの内容はしばらく変えないこと

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DMを送るときに注意したいのが「オファーの内容を変えない」ということです。1回目のオファーが気に入っていたのに、2回目のオファーの内容が気に入らず、来なくなってしまう可能性もありますし、その逆もありえます。少なくとも1年間は同じオファーを出し続けましょう。

あまりにオファーを変えすぎると そのたびに料金設定やプレゼントの中身を変えなければならず、疲れを感じてしまうことも。あまり頑張りすぎずに「これ」と思ったオファーをひとつ選んで決めたら、それを継続してみましょう。

景品表示法には要注意

景品類の最高額や総額を規制して過度な景品提供を防ぐ景品表示法は、DMのオファーにも適用されます。DMのオファーは、飼い主さんなどに等しく提供される「総付景品」に該当します。

飼い主さんなどに総付景品を提供する際の限度額は、取引価額が1,000円未満の場合は200円まで、1,000円以上の場合は取引価額の10分の2までと決められていますので、これらの金額を超えないように注意しましょう。

参照:消費者庁

 

オファーは来院者を増やすきっかけづくりになるものです。しかし、オファーが豪華でも、質の高い治療やサービスが提供できなければ、リピーターはつきません。自分の動物病院の方向性を考慮したうえで、DMを制作することをおすすめします。

オファーの考え方については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:動物病院のオファーは飼い主さんの心に最大限届くものを選ぼう

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