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街頭広告やチラシ、またテレビCMを見ていると、その商品やサービスを扱う企業の社長やスタッフが顔出ししていることがありませんか。

また、スーパーで野菜を買おうとしたときに、生産者の顔が商品パッケージに印刷されていることがあります。

こういった広告を見るとその商品に親近感を覚えて、ついつい手が伸びてしまうのは、きっと私だけではないでしょう。

これは多くの人に共通する心理であるはずです。

一体なぜ私たちは生産者や企業の従業員の顔が見える広告に惹かれてしまうのでしょうか。

今回はその理由と動物病院の広告への活かし方について考えたいと思います。 

広告にスタッフの顔を載せることで得られるメリット

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広告に社長や院長、また従業員などの顔を載せることで、得られるメリットは実は多く存在します。

まず、自分の動物病院に対してクリーンな印象を持ってもらいやすいという点。顔を広告に載せている以上、その動物病院が悪事を働いた時には、あっという間にスタッフの存在が広がってしまいます。顔出しをするという、あえて動物病院にとってのマイナスな状況を作り出すことで、かえって相手に信頼してもらいやすくなります。これは、「シグナリング」と呼ばれる経済用語です。これと同じ手法は、返品・返金保証付きのサービスでも取られています。

動物病院のスタッフの一体感を高められる点もメリットのひとつです。一枚の広告にスタッフの顔が載ることで仲間意識が高まり、院内の結束力が強くなります。「あの動物病院に属している」と、広告を見た人から認知してもらうことによって、自身の帰属意識も高まるというわけです。

そして有名人やタレントを使うよりも広告費用が安上がりになる点もポイントです。これまで外注費にコストをかけていた動物病院も、スタッフ自身が出演することによって広告制作費を大幅に下げられるでしょう。 著作権が発生しないことから、ひとつの広告を長く使えるところも大きなメリットです。

大手企業のCMなどでは、社長が出演するケースも珍しくはありません。しかし、院長やスタッフが顔載せをしている動物病院の広告はまだまだそう多くはないと感じています。すなわち、今すぐにこの方法を取り入れれば見る人の目には新鮮に映り、記憶にも残りやすくなります。写真1枚だけでもインパクトは大きく、さほど他のデザインやレイアウトに気を配る必要もありません。良い広告アイデアが浮かばないときに、顔載せは有効といえます。 

従業員の顔載せで気をつけたいポイント

man standing on road infront of high-rise buildi

メリットが多いように思える広告への顔載せですが、デメリットがまったくないわけではありません。一番気になるのは、やはり自分の顔が大々的に知れ渡ってしまうという点。街を歩いているときや飲食店に入っているときなど、自分が気づかないところで存在に気づかれてしまう可能性は十分にあります。

ジロジロ見られたり、プライベートの時間にまで干渉されたくなかったりする人は、顔載せを避けたほうが良いでしょう。また、もし広告に載せた従業員が退職してしまうことになった場合、また新しく広告を作り直さなければいけません。不在のスタッフを広告に載せているのは、そのスタッフからしても、飼い主さん側からしても、決して良い気分がしないためです。

広告写真を撮影をする時には見た目も気にして、清潔感のある外見に仕上げなければなりません。清潔感のない動物病院に来たいと思う人は、そうはいないはずです。ヨレヨレの白衣やカジュアルすぎるファッションは避けたほうが無難と言えます。一般的に「動物病院=優しい、かわいい」というイメージが強く、あまりにそのイメージとかけ離れた外見であると、訴求効果を期待できないこともあるので、人選にはこだわりましょう。

ただし、広告は多くの人に見てもらうことが大前提にあるため、あまりに写真映えしないということであれば、他の方法を考えたほうが良いかもしれません。 

飼い主さんからのニーズを理解して広告を制作しよう

動物病院で最も求められるのは、診療サービスの質の高さやペットへの対応です。飼い主さんが大切にしているペットを丁寧に診てくれる獣医師が在籍している病院は、おのずと人気が出る傾向にあります。獣医師本人が広告に出て自分のモットーやキャッチフレーズを伝えることで、「この動物病院は信頼できそう」と見た人に思ってもらえるのかもしれません。

反対に、顔載せによるリスクはゼロでないため、よく考えて本当に顔を出すべきか否かを決めましょう。顔出ししたことによって起こるトラブルが心配であれば、一度プロの広告代理店に相談してみてはいかがでしょうか。万が一、写真を悪用されたときの対策について教えてくれるはずです。作る側も見る側も気持ち良くなれるような広告づくりを目指しましょう。 

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