今回のブログでも、あなたの動物病院のリピーターが増えていかない理由について考えてみたいと思います。
責任感の強いあなたは、自分の病院にリピーターが増えない理由が自分の経営手腕にあると感じてはいませんか?
確かにその理由も否定はできません。
しかし、実はリピーターが増えない最も大きな理由は、飼い主さんの「なんとなく」であることが多いです。
だから、決して自分を必要以上に責める必要はありません。
しかし、「なんとなく」で通ってくれなくなった飼い主さんを放置しておくのは大変もったいないです。
一度来院していただいた飼い主さんの呼び戻しは、新規の飼い主さんを獲得するよりもずっと容易なため、何らかの施策を用意するのが有効です。
リピーターを呼び戻すためには、どのような施策を打ち出せば良いのでしょうか。
今回は「なんとなく」の気持ちが発生するメカニズムとともに考えていきたいと思います。
飼い主さんと獣医師の気持ちのすれ違いはこうして起こる
とある美容室が、一回来店したきりのお客様にたいして、リピーターにならなかった理由をアンケート調査をしてみたところ、「存在を忘れていたから」が全体の80%を占めていたそうです。美容師の技術やサービスを理由に挙げた人はわずか2割に満たなかったこともわかっています。
しかし、この美容室はリピーターが増えない理由は自分たちの技術不足にあると考え、必死で練習を重ねたそうです。なんだかさみしい話ですよね。
この事例は、決して美容室に限った話ではありません。「忙しかったから」「行ったこと自体を忘れていた」「たまたま他のところから声をかけられたから」など、「なんとなく」を理由にあなたの動物病院に来なくなった飼い主さんは決して一人や二人ではないはずです。それであれば、まずは動物病院の存在を思い出してもらい、もう一度足を運んでいただけるような施策を考えましょう。
リピーターを獲得する方法①DMを送る
飼い主さんが動物病院の存在を忘れているのであれば、ダイレクトメールを送って思い出してもらいましょう。一回来ていただいた飼い主さんであれば、住所やメールアドレスがわかっているはずですから、それを活かさない手はありません。メールでも郵送でも構いませんが、定型文だけのDMは個性がなく、また忘れ去られてしまう可能性が大いにあります。個別の飼い主さんに向けたメッセージを添えて送るようにしましょう。
また、このブログでも何度かお伝えしていますが、DMにはキャンペーンの告知を添えると反応が大きく変わってきます。「リピーターキャンペーン」や「予防接種キャンペーン」など、送るタイミングに合わせてキャンペーンを企画しましょう。
リピーターを獲得する方法②お得な回数券を販売する
回数券を販売して、長期的に飼い主さんを獲得する方法も有効です。私の動物病院では予防接種の回数券を販売していて、2回目は20%オフ、3回目は30%オフなど、回数を重ねるほどお得になる仕組みを作っています。最初にまとめて購入していただくことで、まとまった売上を確保できますし、リピーターの獲得もごく自然に行なえます。営業トークが苦手なあなたにもおすすめの方法です。
普段の診療サービスで気を付けたいポイント
現在足が遠ざかっている飼い主さんの呼び戻しも大切ですが、今来ていただいてる飼い主さんが長期的に通ってくださるように、普段の診療に工夫を取り入れることも重要です。例えば、次回の予約を勧めることは王道の手段ですが、ほぼ確実にリピーターを獲得できます。
飼い主さん自身、次の来院時期がわかっていないということも多いため、次回の来院目安を教えてあげましょう。こまめな来院を呼びかけることで、ペットの異常にもいちはやく気づけるようになり、健康管理ができるようになります。
今のサービス以上の感動をつくる
「なんとなく」飼い主さんの足が遠ざかっているということは、あなたの動物病院の印象が単純に薄い可能性があります。他の動物病院と差別化できていなければ、新規の飼い主さんからは、名前すら覚えてもらえない可能性が高いです。
今これといった個性がないと感じているのであれば、思い切って新しい施策やキャンペーンを打ち出してみてはいかがでしょうか。ちょっとしたサンプルをプレゼントしたり、季節ごとにキャンペーンを実施したりするだけでも飼い主さんからは喜ばれるものです。飼い主さんのニーズがわからなければ、アンケート調査を実施して、飼い主さんの声を反映した施策を実施すると良いでしょう。
「存在感がない」と言われると寂しい気もしますが、決してあなたの動物病院に致命的な欠点があるわけではないと、ポジティブに捉えてください。そして、存在感を残すために有効な施策を考えてみてください。2回来院していただければ、ほとんどの飼い主さんはあなたの動物病院を記憶してくれるはずです。まずは飼い主さんの心を掴む施策を考えてみてはいかがでしょうか。