あなたはなぜ獣医師になったのでしょうか?
「動物が好きだから」「親が獣医師だから」「病気を治すことにやりがいを感じるから」など、人によってさまざまな理由があるかと思います。
しかし、厳しい現実に突き当たったり、忙しさに追われたりする中で、何のために働いているのかがわからなくなる時もあるでしょう。
それは私も同じです。
働く理由を見失うとモチベーションが低下し、経営の方向性が見えなくなってしまうことがあります。
そういった事態を避けるためにも、行き詰まった時こそ自分が働いている理由を見つめ直してみましょう。
今回は働く理由を考えるポイントを紹介します。
働く理由を考えるタイミングとは
働く理由を常に考える必要はありません。しかし、以下の状態にあるときには、少しあなたの心が疲れていたり、迷っていたりするのかもしれません。そのような時にこそ、働く理由を考えてみてはいかがでしょうか。
やる気やモチベーションが下がったと感じるとき
誰にでもスランプやモチベーションの低下はあるものです。仕事に対する情熱や意欲が低下した際には、働く理由を考えてみることで、獣医師としての初心を取り戻せるでしょう。当時の情熱を思い出すことで、モチベーションを再び高められるかもしれません。
仕事にやりがいを感じられないとき
いつも同じスタッフや飼い主さんと触れ合っていると、マンネリを感じることがあります。毎日同じ業務の繰り返しで、仕事に対するやりがいや意義を見いだせないと感じたときにも、働く理由を再確認することで、仕事への意味やあなたの存在意義を見出せるでしょう。
キャリアの方向性を模索する際
動物病院の今後や、あなた自身のキャリア、また人生の全体的な方向性を考えたくなるタイミングもきっとあるはずです。その際には、自分がなぜ働いているのかを考えることで方向性が定まり、自己成長や目標達成に向けた一歩を踏み出しやすくなります。
ワークライフバランスが崩れた場合
「仕事に時間を取られすぎて、プライベートの時間がほとんどない」といったときも、働く意味を見つめ直すチャンスです。働く理由を明確にすることで、自分にとって重要な価値観や目標を再確認でき、バランスを取り戻すための方策を考えやすくなります。
働く意味を考えるときのポイント
「働く意味」は非常に抽象的なものであり、決まった答えもないため、深掘りしづらいと考える方も多いのではないでしょうか。そのような方のために、働く意味を考える際のヒントを紹介します。
正しさに捉われずに素直に考える
働く理由を「お金のため」「生活のため」と考えるのはいけないことのように思われていますが、私は決してそうではないと考えます。生活のために働くことも立派な理由のひとつですし、まったくあてはまらないという人はほとんどいないはずです。
生活のために一生懸命働いた結果、多くの売上を上げることができれば、生活が潤って気持ちにも余裕が出てくるはずです。スタッフに還元できれば全員のモチベーションが上がって、より魅力的な病院になるでしょう。
働く理由があればとことん突き詰めて考える
「働く理由」をすぐに挙げられる人は、それをさらに深掘りして、あなた自身のモチベーションの源を追求してみてください。例えば、「病気の動物たちを一頭でも多く元気にしたいから」という理由であれば、元気にするために自分がどのような努力をしているのか、またこれからはどのように動物を元気にしていきたいのか、深く考えてみることで、やるべきことが見えてくるはずです。モチベーションが低下したときにも、あなたが獣医師を志した理由を思い出せば、立ち直ることができるでしょう。
自分の中に軸を作っておくことで少々のストレスにも耐えられるようになりますし、明確な目標があることで成長のスピードを高められます。
働く理由が見つからない人はその原因を考える
働く理由が見つからない人は、職場で適正な評価を受けていないと感じたり、人間関係が恵まれていなかったりと、何かしらの不満を持っている場合が多いものです。やりがいを感じられない理由を明確にし、その解決方法を一度考えてみてはいかがでしょうか。職場の環境が変わるかもしれません。
働く理由が見つからなければプライベートを充実させる
どうしても働く理由を見つけられないのであれば、思い切ってプライベートの充実化に舵を切ってみても良いでしょう。趣味を充実させるとなれば、お金がかかります。そのお金を稼ぐためには、仕事に注力しなければなりません。結果としてオンとオフのメリハリがつくようになり、いきいきと仕事に取り組めるようになるのです。
今回は働く理由を考える大切さを紹介しましたが、すぐには思いつかないという人もいるでしょう。そうであれば目の前の仕事に集中して、やりがいを感じる瞬間を意識してみてください。達成感を覚えた時に、自分が獣医師という仕事に就いている理由が見つかるかもしれません。