Notes, Clerking, Writing, Communication

私たちが経営する動物病院は、決してサービス業ではありません。

そのためか、診察で飼い主さんと接するときにも随分とラフな態度で話をする獣医師も少なくないと聞きます。

今このブログを読んでいる方のなかには、思い当たる節がある方もいるかもしれませんね。

 

カジュアルな態度が決して悪いわけではありませんが、通ってくださる飼い主さんに対する感謝の気持ちは常に持ち続け、誠実な態度で接するようにしましょう。

忙しいとついつい流れ作業になってしまいがちな診察時のコミュニケーションを見直すために、今回は理想的な飼い主さんへの接し方についてお話したいと思います。

今動物病院に求められているホスピタリティ

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かつては動物病院も人間が利用する病院同様に、事務的なやりとりをする獣医師が多かったものです。しかし、動物病院が増加し、日本全国に1万軒以上も存在する今は、ホスピタリティにも力を入れて、他院との差別化を図ろうとする病院が少なくはないのです。動物病院に来院される飼い主さんのほとんどは、自分のペットの体調を心配しています。その飼い主さんの気持ちに寄り添って、最適な施術を提供してあげられる獣医師や看護師は、飼い主さんから愛され、リピーターもたくさんつくはずです。

 

かつては接客も画一的なマニュアルを作成し、その通りに対応すればよいと考えられていましたが、今は一人ひとりに合わせた対応が求められる時代です。マニュアルを作成する時間があれば、飼い主さんを理解する時間に充て、カルテを読み直したり、次回来院時の接し方について考えたりしましょう。「自分のことを考えてくれている」という、おもてなしのような感覚を飼い主さんに味わってもらうことが重要です。

診察時に大切にしたい姿勢①聞く力

飼い主さんをよく理解するためには、何よりも相手の話をよく聞くことです。相手の顔をほとんど見ずに、パソコンで電子カルテを入力しながら話を聞いている獣医師がいると聞きますが、これで意思の疎通が取れるわけはありません。

 

飼い主さんがどのように感じて、何を求めているのか、診察時のコミュニケーションを通じて理解を深めていけるように心がけましょう。飼い主さんの話のなかには、ヒントがたくさん隠されていますので、目の前の飼い主さんにはしっかり向き合うようにしてください。また、話を深掘りするために、表情やしぐさにも気を配って、傾聴力を高めていきましょう。

診察時に大切にしたい姿勢②共感

ただ飼い主さんの話を聞くだけではなく、相手の感情に理解を示して共有する「共感の姿勢」も重要です。飼い主さんの話に共感を示すことによって、きっと親近感を覚えてもらうことができるでしょう。たとえ飼い主さんが言うことに100%共感できなかったとしても、まずは相手が言っていることをすべて受け止め、相づちを打つようにしてください。それだけでも飼い主さんは安心するものです。

診察時に大切にしたい姿勢③言葉で寄り添う

飼い主さんの話にきちんと耳を傾ける姿勢も重要ですが、あなたからも声掛けをして、飼い主さんの心に寄り添う態度を見せてください。たとえば飼い主さんのペットを見たときに、「前回よりも元気になりましたね」「先日お渡ししたこの薬を服用してみていかがでしたか?今回も同じものをお出ししましょうか?」など、気遣いの言葉をひとつかけるだけで飼い主さんの心証は変わってくるはずです。

目の前の飼い主さんに一所懸命になることで得られるメリット

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飼い主さん一人ひとりに真摯に向き合うことで、得られるメリットはいくつかあります。まず、マニュアル通りではなくその飼い主さんに合った対応をすることで、「またこの動物病院を利用したい」と思ってもらえるでしょう。その結果、リピーターの獲得につながります。

ふたつめのメリットとして、飼い主さんからの評判が上がり、リピーターが増えることによって、良い口コミが広がりやすくなる点が挙げられます。それによってさらに新しい飼い主さんが来院しやすくなるでしょう。

そして、飼い主さんからの信頼を得ることによって、「この商品も一緒にいかがですか?」と、別の商品やサービスも勧めやすくなります。「この先生が勧めてくれる商品であれば間違いがないだろう」と思ってもらえるためです。

 

このように飼い主さん一人ひとりに真剣に向き合うことで、さまざまなメリットを得られるようになります。今、飼い主さんとのコミュニケーションが不足していると感じるようであれば、今回紹介した姿勢をぜひ意識してみてください。

 

また、この飼い主さん一人ひとりに向き合う姿勢は、あなただけではなく、院内のスタッフ全員が身に付けるべきものだと考えます。ときには院内のスタッフとロールプレイングで練習をするなどして、飼い主さんとの向き合い方を院内全体でブラッシュアップさせていきましょう。

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