かの有名なイチロー元選手は現役時代、「まず手の届く目標を立て、ひとつひとつクリアしていけば、最初は手に届かないと思っていた目標にもやがて手が届くようになるということ」という名言を残しています。
スター選手としての栄光を手にした後も、日々のトレーニングを欠かさなかったイチローさんらしい言葉ですね。
仕事においては、誰もやっていなかったことをやれた先駆者が成功者になるイメージがありますが、実はそうではありません。
これだけ情報やモノがあふれている時代にあって、いまだ誰もやったことがないというものはそうそうありません。
それよりも誰もができることを、日々積み重ねていく努力こそが成功者への近道となるのではないでしょうか。
今回は飽きっぽいあなたにもおすすめできる、積み重ねのコツを紹介します。
積み重ねの軌跡こそがあなたの自信を生み出す
子どもの頃、毎朝ラジオ体操のスタンプを押してもらいたいがために、夏休みの間中通っていたという経験はありませんでしたか。学校の皆勤賞にも同じことが言えます。そして、それを達成できた時の満足度は非常に高く、自信を持つことにもつながっていたかと思います。
「学校に行く」「ラジオ体操をする」「元気に挨拶をする」など、行為だけを見れば誰もができるものです。しかし、それを毎日継続することは決して簡単ではないことを、私たちは心のどこかで理解しています。だからこそ、継続できたときには達成感を覚えるのでしょう。
どんなに些細なことでも構いません。仕事のなかで、ひとつ絶対に欠かしてはならないルーティンを決めて、継続してみてはいかがでしょうか。あなた自身はもちろん、スタッフにも敢行してもらうと、職場のモチベーションが上がるはずです。特に仕事に対して自信を持っていなさそうなスタッフにはぜひ勧めてみてください。
決めたことは徹底的にやりこむ
例えば日々のルーティンを「動物病院内の清掃」に決めたとしましょう。ここで重要であるのは、中途半端に続けるのではなく、徹底的にやりこむことです。どのような掃除をするのか、どの程度きれいにするのかを定めたら、そのレベルに至るまで時間をかけてでも徹底的にやりこみましょう。日によってばらつきが生じたり、最初だけ張り切って途中からクオリティが低くなっていたりする状態は、継続できているとは言えません。極端な話、他のスタッフにはマネできないくらいまでピカピカにして、周りを驚かせましょう。こうしたところから、人との差別化ができてくるのです。
スタッフの努力はあなたが認めてあげる
いくら継続が大切と言っても、誰でもできる地味な作業を一人で続けるのは、いささか寂しいものかもしれません。マンネリや無意味さを感じて、途中でギブアップしてしまう人がいても不思議ではないでしょう。いや、そのような人が多いからこそ、最後まで継続し続けた人が成功を収めているのかもしれませんね。
一人で継続するのが難しいのであれば、院内のスタッフ同士で協力し合って、きちんと継続できているか、クオリティは前日に比べて下がっていないかどうかをチェックするようにしましょう。人の目があればサボることなく続けられますし、見られていることでモチベーションも上がります。動物病院は決してあなた一人で運営しているわけではありません。チームワークを大切にして、スタッフの教育体制を整えるようにしましょう。
少しずつルーティンのレベルを上げていく
ひとつのルーティンを継続できるようになったら、次は「誰もができること」のレベルを少し上げてみてはいかがでしょうか。ハードルを少し上げることでチャレンジ意欲が湧き、さらなるレベルアップを図ることができます。そのためにも、最初は継続するルーティンのレベルを低めに設定しておくと良いでしょう。継続する業務自体は簡単であっても、継続するコツを学ぶことで、よりレベルの高いルーティンにも難なく取り掛かれるようになるはずです。
成功できていない人は当たり前ができていないことが多い
最後に、この取り組みを行うときに覚えておいてほしい心構えをお話しします。「大きな声であいさつをする」「身の回りの整理整頓をする」といった行為は当たり前のことのように思えますよね。しかし、成功をおさめられない人の多くは、こういった当たり前の行為ができていないケースが多いものです。
きちんと挨拶ができなければ良好な人間関係を築くことができずに、仕事のチャンスを失ってしまっている可能性があります。整理整頓にしてもだらしがないが故にものを探す機会が多くなり、仕事の時間を削ってしまっているかもしれません。このように誰もができると軽く見ていることが、実は仕事においては非常に重要であることが多いものです。地味に思えても、ルーティンの繰り返しこそが成功につながっていくと信じて、まずは目標を設定することから始めてみてはいかがでしょうか。