突然ですが、あなたの動物病院ではスタッフミーティングにどれくらいの時間をかけていますか?
毎日10分という方もいれば、月に一度何時間もかけて行うという方もいらっしゃるでしょう。
もし、30分未満の短時間ミーティングを行っているのであれば、その会議はスタンディング形式にしてみると、良い効果が生まれるかもしれません。
今回はスタンディング会議のメリットと注意点、そして期待できる効果についてお伝えします。
スタンディング会議はもはや常識
その名の通り、立ったまま会議を行うスタンディングミーティングは、海外では既に浸透しています。また、ミーティングとは少し異なりますが、GoogleやFacebookと言ったシリコンバレーの大手企業が、立ったまま仕事を行えるスタンディングデスクをオフィスに設けているというのは有名な話です。一見効率が悪いと思われる立ったままの仕事や会議ですが、実は思いもよらぬ効果をもたらしてくれます。ここではスタンディング会議のメリットを紹介します。
短時間の会議での集中力が高まる
座っていると、どうしても集中力が低下してしまいます。そして目の周りにパソコンやスマートフォンがあることで、内職を始めてしまう人もいるはずです。実際に、ある調査会社が行ったアンケートによると、「会議中に内職をしている人」は全体の40%にも達することがわかっています。これではスタッフを集めて会議をする意味がありませんよね。
それも椅子を取り払ったスタンディング会議を行うことで、自然と会議に集中できるようになり、人の話もしっかりと聞けるようになります。ただし、長時間の会議となるとかえって集中力が低下しますので、15分から長くても30分程度のミーティングに取り入れると良いでしょう。
スタッフの健康維持につながる
座りっぱなしの生活は良くないものですが、パソコン作業が増えたことで私たちが座っている時間はかなり伸びているという調査報告があります。長時間座っていると姿勢が崩れて猫背になり、肩こりや腰痛に悩まされがちです。それもスタンディング会議を行うことで、スタッフの健康増進につながっていくでしょう。猫背というのは一般的に良くない印象を与えますが、それも姿勢をきちんと正す習慣をつけることで、周りに与える印象も変わってくるはずです。
会議室が不要になる
ミーティングを開く時には、これまで会議室を確保する必要がありました。しかし、それもスタンディング会議であればどこでも打ち合わせができるため、わざわざ場所を確保する必要がありません。診療後の診察室や受付でも実施できる手軽さは、スタンディング会議の魅力のひとつと言えるでしょう。
会議時間の短縮化
資料を読めばわかる話をダラダラ説明したり、「あまりに短い会議には中身がないのでは?」という思い込みから、無駄に会議を引き伸ばしたりすることはありませんか。座ったままの打合せでは、どうしても時間が長引きがちです。それもスタンディング会議は立っていられる時間に限界があるため、短時間で効率的に話を進めようとする流れになります。限られた時間内であれば、スタッフも積極的に意見を出すようになり、結果的に生産性の向上を期待できます。
心を通わせやすくなる
机と椅子を使った会議は物理的に距離を取ることになるため、意見を出しにくいと感じることがあります。それも不思議なことに、椅子と机を取り払ったスタンディング会議では物理的な距離が短くなり、相手にも親近感を覚えて自分の思いを伝えやすくなるのです。これは少し意外な効果のように思えますが、実践してみるとすぐにわかるはずです。
コロナ禍でソーシャルディスタンスが求められている今、すぐに実践するのは難しいかもしれませんが、収束した暁にはぜひ試してみてください。
スタンディング会議を行う時の注意点
メリットが多いように思えるスタンディング会議ですが、デメリットや注意点がまったく存在しないわけではありません。
たとえば朝礼にスタンディング会議を採用すると、貧血気味のスタッフがツラくなり、かえって会議に集中できないということも。朝一番にミーティングを行う際には、スタッフの健康状態に配慮をしましょう。
また、長時間過ぎる会議はかえって足腰に負担がかかりますので、会議の終了時間になったら、たとえ途中であってもきっちり終えるようにしてください。
メモを取りにくいところも、スタンディング会議のデメリットのひとつです。メモが必要になる会議時には、スタンディング用の机をひとつかふたつ用意しておくと、スタッフもメモを取りやすくなるのでおすすめです。些細なところに気を配るだけで、より質の高い会議を実施できます。
スマートフォンが日常生活に密着している今、集中力を高めるためにはスタンディング会議が有効です。現在、スタッフ会議の長時間化が気になっている方は、ぜひ実践してみてください。