毎月毎月安定しない売上に、一喜一憂している動物病院の経営者は決して少なくありません。
今月の売り上げが良かったとしても、来月以降は激減するかもしれないと思うと、いつになっても心が休まりませんよね。
コロナ禍以降、こういった気持ちに駆られる経営者がより一層増えたように感じます。
これではいつまでたっても仕事が楽しくなりません。
そこで動物病院の経営を安定させるために、持続的な収入を得られるストックビジネスを目指してみてはいかがでしょうか。
今回はストックビジネスのポイントと成功するための秘訣を紹介していきます。
ストックビジネスとは
ストックビジネスとは、安定した売上を継続的に見込めるビジネスモデルのことを言います。わかりやすい事例としては、大手レシピサイトのクックパッドが挙げられます。同社は無料で誰もが利用できるレシピサイトを展開しつつ、有料会員制度を設けて継続的な収入を獲得しています。
また、同じような事例として、Amazonプライム会員制度も存在します。大手ECサイトのAmazon自体は無料会員でも利用できますが、有料会員になることで「即日配送」や「Amazonプライムビデオ見放題」など、有料ならではのメリットを受けられるのです。これによって、AmazonはECサイトからの購入が少ない時期があったとしても、安定的に収益を得られます。
非常に良いビジネスのように思えますが、当然のことながら従来のサービスや商品に魅力がなければ誰からも利用されず、ビジネスが成り立ちません。そこがストックビジネスの難しさと言えるでしょう。そのビジネスを成功させるためには、他社をマネするだけではなく、あなたの動物病院ならではの魅力を取り入れて、売上アップを図らなければなりません。工夫の取り入れ方については以下から見ていきたいと思います。
安定した売上を確保する方法①サブスクサービスを導入する
動画や音楽など、定額課金制のサブスクリプションサービスは非常に多く存在します。スポーツジムやエステサロン、食品メーカーもサブスクサービスを導入しているというのだから驚きです。利用頻度に関わらず定期的な売上を期待できるサブスクサービスをぜひ動物病院でも取り入れてみましょう。
特にトリミングを展開している動物病院に、このサービスはおすすめ。定期的に通わなければならないトリミングは、サブスクサービスとの親和性が抜群です。「1か月間通い放題で〇円」と設定することで飼い主さんは通いやすくなりますし、動物病院側は安定した収入を期待できます。飼い主さんが継続的に通ってくださることで他の診療サービスやアイテムも勧めやすくなり、ワンちゃんも絶えず清潔な状態を保てるようになります。まさに一石二鳥、三鳥のサービスと言えるでしょう。
トリミングサービスがない動物病院でも、ペット用シャンプー・トリートメントの定期購入など、考え方次第でいくつものサービスを提供できます。
安定した売上を確保する方法②リピーターを増やす方法を考える
以前ブログでも解説した通り、新規の飼い主さんの獲得にはリピーターを獲得する5倍のコストが必要とされています。すなわち、リピーターを大切にすることが業務効率化につながり、売上の拡大にも直結しやすいと言えるでしょう。
リピーターを増やす最も手っ取り早い手段としては、リピーター特典を用意することでしょう。私の動物病院ではペットの予防接種の回数券を販売し、2回目は1回目の料金から30%オフにするなど、お得な料金設定をしています。最初に回数券を購入していただくことで、必然的に飼い主さんはリピーターになってくださるという仕組みです。
ただし、この回数券制度も動物病院の質が良くなければ、通ってくださる飼い主さんもいずれは減少していきます。目先の売上にだけこだわるのではなく、アンケート調査を実施するなどして、飼い主さんからの評価を受け止め、課題があれば解決するような努力をしていきましょう。
安定した売上を確保する方法③動物病院のメニューを拡充する
今あなたの動物病院には、いくつの診療サービスやトリミングのメニューがありますか。多ければ多いほど良いというものではありませんが、あまりに少ないとどうしても来院者の幅が狭まります。
もし近くにメニューが充実している動物病院ができたら、そちらに飼い主さんが流れてしまう可能性が大いにあります。診療サービス一本でいくのが不安であれば、少しメニューを増やしてみてはいかがでしょうか。
いくつかの選択肢を作ることで、たとえ一方の売上が厳しくなっても、もう一方で補填できるようになり、結果としてビジネスの安定化につながります。
今回紹介した3つの方法はいずれも有効ですが、自社の努力が必要であることもまた事実です。あなたのどうぶつ病院の強みを理解し、そこを伸ばしていけるようなビジネスモデルを考えてみてください。