今このブログを読んでいる方のなかには「プラシーボ効果」、または「プラセボ効果」という言葉を聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
事前に効果を聞かされていた錠剤を飲んだところ、ただのビタミン剤だったのになぜかすごく体に効いたような気がするという現象です。
英語やフランス語で「placebo」と表すこの単語は、ラテン語で「私は満足するだろう」「ご機嫌取り」という意味があり、患者さんのご機嫌を取るために使われるようになったとされています。
実際に「効果がある」と聞かされたことで体内に神経伝達物質が分泌され、身体や精神に変化が起こってしまうのです。
この事例からもわかるように、人の思い込みとは大変怖いものであり、あなどれない存在といえます。
しかし、セールスやマーケティングにうまく応用することができれば、大きな効果を感じられるはずです。
今回はプラセボ効果を使ったマーケティングのテクニックを紹介していきます。
ぜひ参考にしてください。
プラセボ効果を使ったマーケティング①顧客の恩恵を意識する
商品やサービスをアピールする際には、それを購入したことで得られる恩恵を飼い主さんに想像させるようにしましょう。
例えばペット用シャンプーであれば「毛がサラサラになって、病気知らずの体に!」などと訴えれば、飼い主さんは元気で清潔なワンちゃんの姿をイメージできるようになり、ポジティブな感情になります。ただ「ワンちゃんが健康になる」だけのフレーズではどこか他人事のような印象ですが、具体的な変化を伝えることで飼い主さんはまだ購入していないにも関わらず、自分ごと化できるのです。まずは購入した後のポジティブなイメージを植え付けるようにしましょう。
プラセボ効果を使ったマーケティング②商品やサービスの見た目を重視する
プラセボ効果を意識するにあたって、商品やサービスの見た目は非常に重要です。ペットの健康食品を販売するのに、不健康そうな色遣いやデザインの商品では、まず手に取ってもらえません。反対に、他の商品では見られない斬新なデザインやおしゃれな見た目のものは手に取ってもらいやすいでしょう。オリジナル商品の展開を考えるときには、中身はもちろん、商品の見た目にも気を配って効果が感じられそうなデザインを選ぶようにしてください。プロのデザイナーにデザインを頼むと、イメージにそったものに仕上げてくれます。
プラセボ効果を使ったマーケティング③キャッチコピーにこだわる
商品のビジュアル同様に、キャッチコピーも売上を左右する重要な要素です。食品でも飲料でも生活用品でも、ヒット商品にはすぐれたキャッチコピーがつきものです。とは言っても、コピーライターでもないのに、いきなり名コピーを考えるのはハードルが高いでしょう。まずは商品の特徴や魅力を洗い出し、その要素を取り入れたコピーを考えてみるようにしてください。シンプルなキャッチコピーであっても、ないよりはあったほうが良いと考えます。
プラセボ効果を使ったマーケティング④商品を高額にする
商品をたくさん売りたいのであれば、値引きをするという考えが一般的ですが、実は商品を高額にしてブランド感を出すという戦略もあります。あなたは高級レストランで食事をしたときに「やはり高い食事はおいしいな」と感じたり、高級車に乗った時に「高い車は乗り心地が違うな」と思ったりしたことはありませんか。価格を先に見て、そのものの価値を無意識のうちに決めてしまう心理は誰にでもあるものです。この心理をマーケティングにも活用して、あえて高額なラインナップで商品を展開してみてはいかがでしょうか。「高い商品だからきっと高い効果を期待できるだろう」と感じた、経済的に余裕のある飼い主さんが手に取ってくれるかもしれません。「安いものだけが売れる」という先入観を取り払った商品を一度考えてみましょう。その際のビジュアルは高級感を感じられるゴールドやブラックカラーを用いたものがおすすめです。
プラセボ効果を使ったマーケティング⑤口コミ評価を伝える
他の人が良いと思ったものが欲しくなることも、普通の感情ですよね。そのため、商品を勧める際には他の飼い主さんからの感想を伝えて、魅力を積極的にアピールしましょう。良い口コミが多ければ多いほど、説得力が増します。「こんなにたくさんの人が評価しているのだから、購入して損をすることはないだろう」と思わせることができたら成功です。
今回はプラセボ効果を使って商品やサービスをより良く見せる方法について紹介しました。プラセボ効果は一般的にもよく知られている人間心理ですが、医療の現場だけではなくビジネスの分野でもよく応用されています。もちろん思いこませるだけではなく、「購入して本当によかった」と感じてもらわなければ意味がありません。そのためにも日々良い商品・サービスの企画や研究に努めましょう。