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もしもあなたが大人気の大手動物病院の隣に開業することになったとして、どのような気持ちになりますか。

おそらく大手の存在を気にする方がほとんどでしょう。

勝ち目がないと諦めの気持ちを持ってしまうかもしれません。

しかし、戦う前から諦めてはいけません。

経営戦略によっては、ナンバー2の存在でもたくさんの飼い主さんから愛される動物病院になれるのです。

今回はナンバー2を目指す動物病院が取るべき戦略について考えてみたいと思います。

ナンバー2を目指すときに知っておきたいランチェスターの法則・戦略

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動物病院業界のランキングを意識する際に、必ず知っておいていただきたいのがランチェスターの法則(戦略)です。これはイギリスのエンジニアであるフレデリック・ランチェスターが第一次世界大戦の際に提唱した数理モデルのこと。業界2位以下の企業・組織が自分たちよりも大きな存在に勝利するために考えられた法則・戦略であり、世界でもよく知られています。

まず、ランチェスターの法則は2つあります。第1の法則は、戦いにおける勝敗は戦闘力と兵数(人員数)によって決められるというもの。動物病院で例えると、設備や環境が同じであればスタッフの人数で勝敗が左右されますし、逆もまた同じことがいえます。すなわち、設備も人員も豊富な大手のほうが必然的に有利となるわけです。

しかし、第2の法則を活かせば、大手に勝利することも夢ではありません。 人員や設備が限られていても、戦略を変えて効率性を高めることで、戦闘力を格段に高められます。この法則は、「集中効果の法則」とも呼ばれています。それではどのような戦略を取れば、ナンバー2の動物病院の地位を押し上げることができるのでしょうか。ここからはランチェスターの五つの戦略を用いて説明します。

ランチェスターの五つの戦略

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ランチェスターは「勝者の五大戦略」と銘打って、大手に打ち勝てる以下の5つの戦略をあげています。

  • 広域戦
  • 確率戦
  • 遠隔戦
  • 総合戦
  • 誘導作戦

名前だけ聞いても、どのような戦略になるのか、想像つかない方も多いでしょう。動物病院経営を例にとって以下で説明します。

広域戦を意識した戦略 

動物病院に来てくださるお客様は、病気やケガをした動物の治療のために来院すると思われがちです。しかし、動物病院側がトリミングサービスや物販を充実させることで、より幅広いターゲットを狙えるようになります。大手が取り入れていないサービスを実施することでライバルが減り、自分の動物病院に足を運んでいただける確率が高まります。

確率戦を意識した戦略

商品数やサービスの数が少ないとどうしても地味な印象になり、大手を制すことができません。それであれば、とにかく多くの商品を仕入れたり、珍しいサービスを提供したり、キャンペーンを実施したりと、たくさんの施策を実践するのがおすすめです。ひとつひとつの成功確率は低くても、複数こなしていくことで成功率は上がり、気づいたときには大手よりも賑わっているかもしれません。人は賑やかなものに惹かれる傾向があるので、商品やサービスを充実させて、飼い主さんに足を運んでもらいましょう。

遠隔戦を意識した戦略

動物病院の経営戦略では自分の動物病院の周辺、多少広くても隣の市の飼い主さんをターゲットにしていることが多いものです。それは大手でも中小でもさほど変わりません。しかし、エリアを絞っているとターゲットもおのずと絞られてしまい、大手と飼い主さんの取り合いになってしまいます。顧客の奪い合いを避けるためには、もう少しエリアを拡大して、遠方にお住まいの飼い主さんにも呼びかけてみましょう。チラシや広告を打っている動物病院は、配布エリアを多少広げてみると、新たな気づきがあるかもしれません。

総合戦を意識した戦略

魅力のある動物病院とはどういうものでしょうか。質の高い診療サービスを提供している、スタッフの受け答えが良い、ペットアイテムが充実している、施設内がきれいなど、さまざまな要素が挙げられます。総合戦を意識するのであれば、どこかひとつだけに特化しているのではなく、すべての項目が一定水準以上のクオリティを保てるように努力をしましょう。総合的な評価が高い動物病院は、安定した経営を維持できるものです。大手のように突出したものはなかったとしても安心感があり、長く愛される動物病院を築いていけるはずです。

誘導作戦を意識した戦略

飼い主さんが潜在的に必要としているものの、大手にはないサービスを探り出し、提案することで、新しい顧客を獲得できます。大手にはできない、ナンバー2だからこそできるアットホームな対応や細やかなサービスに飼い主さんは安心するものです。ナンバー2に良くない印象を抱く方もいますが、決してそうとは言えません。ナンバー2であるが故の良さを飼い主さんには存分にアピールしましょう。

 

ナンバー2であることに引け目を感じ、卑屈になる必要はありません。大手にはない特色を打ち出して、安定的に飼い主さんから愛される動物病院を目指しましょう。今回紹介したランチェスターの法則・戦略をもとに、自分の動物病院の方向性を考えてみてはいかがでしょうか。

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