「成功と失敗はビジネスにおいて紙一重」だと言われています。
あなたのちょっとした考え方や行動によって成功を収めることもあれば、失敗に終わってしまうこともあるでしょう。
施策の成功率を上げていくためには、あなた自身の失敗パターンを把握して、それを避けるように施策を考えていくのがベストだと私は思います。
成功にパターンはありませんが、失敗には確実にパターンがあると言われています。
一体どのようなパターンが存在するのでしょうか。
今回はこの失敗パターンについて考えてみたいと思います。
ビジネスの失敗パターンは大別すると5つ
経営がうまく立ち行かないときには、大きく分けて5つのパターンがあるとされています。それぞれのパターンを見ていきましょう。
経営に対するそもそもの姿勢
動物病院の経営者であるあなたは、自分の動物病院に対する理想像を描いているかと思います。それ自体は全く悪いことではありませんが、経営に対する基本的な姿勢が間違っていると、どんな施策を考えてもうまくはいきません。
例えば経営のテキストに書かれていることや、成功者の体験談をそのまま自分に当てはめて実行してしまっている人は、経営に対する姿勢がやや甘いと感じます。成功を収めるためには、人の意見を聞くだけではなく、自分で動いて、そこから得た教訓をもとに施策を考えていく必要があります。受け身の姿勢だけでは、いずれ行き詰ってしまうでしょう。また、即決即断ができない人やタイミングがずれている人も問題です。どんなに魅力的な施策を考えたとしても、市場のニーズにマッチしていなければ売上は上がっていきません。
経営センスを磨くためには、やはり実践を積んでいくしかないと私は考えます。今あなたの動物病院にはどのような問題があり、どのように解決していかなければならないのか、的確に考えられない経営者に、明るい未来は望めません。現在、経営がうまくいっていないと感じている方は、まず今の状況を見つめ直すところから始めてみてください。
飼い主さん視点の欠如
ビジネスの中心にいるのは誰でしょうか。私は顧客、動物病院で言えば飼い主さんであると考えています。決して経営者ではありません。成功を収めるためには、他でもない飼い主さんのニーズを満たすことが重要です。しかし、一部の動物病院は院内のプロセスや利益追求にばかり重点を置いてしまい、その結果として飼い主さんとのコミュニケーションがおろそかになってしまっています。そのような動物病院が飼い主さんから愛されるはずもなく、遅かれ早かれ離反を招くでしょう。
そのようなことがないように、飼い主さんからは定期的にフィードバックをお願いし、診療やサービスの改善に取り組む姿勢が求められます。飼い主さんの期待に応えることによって、長期的な顧客ロイヤルティを築くことができるでしょう。
不十分なリスクマネジメント
ビジネスには常にリスクが伴うもので、すべての施策が成功するとは限りません。だからと言って、思いついた施策に片っ端からチャレンジすればいいわけではありません。新しい施策を取り入れる際には、リスクを考慮して対応策を考えておく必要があります。それが経営者の責務ではないでしょうか。市場の変動や予測不能な出来事に備えて、十分なリスク管理戦略を行いましょう。定期的なリスクアセスメントや緊急時の対応策を策定し、変動する環境にも柔軟に対応できるようなスタッフ教育が求められます。
ファイナンスへの理解不足
ビジネスの成功には、健全な財務状態が必要不可欠です。それにも関わらず、資金調達や予算編成に不透明性があると、予測できない財政的な困難に直面することがあります。そもそも現在のキャッシュフローを正しく理解できていないという経営者も残念ながら少なくないのです。
動物病院の経営を健全なものにするためには、徹底した予算管理と適切な資金調達戦略の確立が必須です。財務状況を整理して、将来の投資や動物病院の成長のために必要な資金を確保できるような姿勢を心がけましょう。
保守的な姿勢による競争力の低下
失敗したくないという気持ちが強すぎるがあまり、何年間も同じ経営スタイルを貫いている経営者も少なくありません。しかし、ビジネス環境は常に変化しているもので、特に近年の動物病院の競争は、ますます激しさを増しています。多くの動物病院が同じ市場で競り合っているなかで、突出した個性がない動物病院は、飼い主さんを獲得しにくくなっているのです。
他の動物病院との差別化が不足していると、生存も難しくなります。独自性を打ち出すことなく、他院と同じような診療やサービスを提案していては、市場の注目を集めることも難しいでしょう。
厳しい競争のなかで成功を収めるためには、常に業界内のトレンドを分析し、飼い主さんのニーズにアンテナを張って、差別化を図ることが重要です。あなたの動物病院独自の価値を提案し、意識的に他院との差別化を追求してみてください。
5つの失敗パターンの中には、ひとつくらいあなたにも思い当たるものがあったのではないでしょうか。自分の失敗パターンを見つけ、意識していくことで成功の確率が少しずつ上がっていくでしょう。ぜひ一度自分の失敗パターンを考えてみてください。
