あなたの動物病院で新しい施策を考える場合、つい効果よりもデメリットのほうが気になってしまうということはありませんか。
保守的な方であればあるほど、どうしても新しい施策の実行に二の足を踏んでしまうかもしれませんね。
しかし、デメリットを気にしていたら、いつまでたっても新しいことへのチャレンジはできません。
そのため、新しい施策を実行する時ほどPDCAを意識してみることをおすすめします。
今回はPDCAの回し方のポイントについて解説します。新しいキャンペーンやサービスを取り入れたいときの参考にしてください。
PDCAとは
ここでまずPDCAのおさらいをしておきましょう。PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(チェック)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、サービスや商品の品質改善や向上を試みるための手法です。
その名の通り、計画から改善までをひとつの流れにすることで永続的に品質の管理と見直しを行っていくことができ、課題にもすぐに気づけるようになります。
また、PDCAで最初のPlanを慎重に決めることによって、その後の方向性が明確化され、達成に向けて効率的な方法を取れる点もメリットのひとつです。
動物病院でもスタッフ間のルールを策定するときや新商品のキャンペーンを打ち出すとき、また全体的な業務の効率化をはかるときにもPDCAは活躍してくれます。
PDCAを行うときのポイント
PDCAは業務改善に有効な手段と考えられていますが、漠然と考えていては目標の達成が難しいものです。ここからはPDCAのポイントについて見ていきます。
①まずは効果を考えてからデメリットに対処する
最初のPlanを考えるとき、ポジティブな意見だけではなく、ネガティブな意見が出ることもあるでしょう。例えば割引キャンペーンを実施する際。お得な価格で購入してもらいやすくなる、または動物病院の知名度が上がるというメリットを期待できる一方で、値引きした分の利益が減るというデメリットが発生します。
あまりにデメリットが多い施策の実行はためらわれますが、得られるメリットが大きいのであれば、まずは実践してみるのもひとつの手です。思った以上の効果を得られるかもしれませんし、PDCAを回していくなかでデメリットの対処方法が見つかる可能性もあります。
対処方法が見つかったら、それを取り入れて再度PDCAを回していけば、目標の達成も近づいてくるはずです。
②具体的な目的を決めて効果を明確にする
目標の達成度を確認する際に、ただ「達成できたかどうか」だけを見るのはNGです。 達成度を明確にするためには、あらかじめ目標を数字で細かく決めておくことをおすすめします。それによってどの程度の効果があったのかがわかるはずです。もしうまくいかなかったとしても、施策のデメリットに気づくことができ、改善案を考えられるようになります。
そのため、評価指標は細かく設定して、メリットにもデメリットにもすぐに気づけるようにしておきましょう。
③PlanとDoで意識の差が出ないようにする
Planを考えるのは経営者であるあなただったとしても、実際にDoに取り組むのは現場のスタッフということもあるでしょう。このときに注意したいのは、計画の立案者と現場の作業者の間で温度差が生まれないことです。たとえあなたが「デメリットのない、パーフェクトなプラン」と思っていたとしても、スタッフはそう感じていない可能性があります。
そのため、Planの段階では必ず現場のスタッフにも同席してもらい、意見を仰ぐようにしましょう。また、Checkの段階でもスタッフからの意見をもらい、デメリットな部分は真摯に受け止めましょう。そのようにすることによって、効果とデメリットにもすぐ気づけるようになります。
PDCAだけではなくOODAもおすすめ
一般的に知名度の高いPDCAにはメリットがたくさんありますが、デメリットもいくつか存在します。例えば計画を作成するため、イレギュラーが発生したときに柔軟に対応しにくいという点は代表的なデメリットです。
そこでおすすめしたいのが、OODAループという手法。OODAとはObserve(観察)、Orient(方針決定)、Decide(意思決定)、Act(行動)の頭文字を取った問題解決のメソッドのひとつです。状況を分析したうえで方針を決定し、それに基づいた行動の意思を決めて行動に移ります。
方針決定は計画策定ほど緻密な作業ではないため、デメリットが発生した際にもフレキシブルに対応できます。経営者であるあなたが計画を作成する労力も省け、業務効率が改善されるかもしれません。
誰しもが失敗を恐れるものですが、最初からうまくいくケースのほうが経営の世界ではまれなものです。大切なことは、デメリットに気づいて対処できる柔軟性と洞察力にあります。PDCAやOODAループを駆使して、新しい施策をどんどん取り入れていきましょう。