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ビジネスや経営を行う際、「ヒト・モノ・カネ」こそが経営資源だと言われています。

最近はこれに「情報」が加えられているようですが、いずれにしても動物病院を運営していくなかではどれも欠かせないものです。

しかし、必ずしもすべての資源が満たされているとは言えませんよね。

新しい事業を始めたいのに資金がなかったり、人手が足りなかったり…。

特に昨今叫ばれている「人手不足」は動物病院にとっても大きな課です。

看護師や事務の人員不足に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

そんなとき、真っ先に考えるのが新しい人材の雇用ですが、慢性的な人手不足が続く現在の業界で、そんなに簡単に人手不足が解消されるとは思えないのです。

そこで注目していただきたいのが、今ある資源の見直しです。

今回は人員に限らず、経営資源の不足を感じたときに実践していただきたい考え方を紹介します。

まずはあなたの経営資源を見直そう

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実は経営資源には目に見えていないものが少なくありません。目の前にいるスタッフの数や通帳の金額だけを見て、経営資源を見積もっていませんか。あなたの動物病院の経営資源を見直すことで、本当の経営資源の状況を把握できるかもしれません。ここではそれぞれの経営資源について解説します。

ヒト

経営資源の筆頭に挙がるヒトですが、単純に目の前にいるスタッフだけが経営資源とは限りません。何らかの事情で退職してしまったスタッフの存在も、ある意味では貴重な資源です。どうしても人手が足りないようであれば、円満退職したスタッフにヘルプに入ってもらえないかどうか聞いてみるのも、人材の活用方法のひとつです。

ヒトと他の資源(モノ・カネ)で大きく違う点として、ヒトはプラスにもマイナスにもなりうるという点が挙げられます。同じ人間一人でも、その人が持っている能力によってこなせる業務量が通常の倍になることもあれば、半分になることもあるでしょう。それはあなたが与える業務によっても変わってくるはずです。今いる人材を最大限に活用したいのであれば、今の人員配置は本当に最適なものかどうかを見直してみましょう。パフォーマンスが低い業務の担当者を変えることによって、新しい人を雇うことなく問題を解決できるかもしれません。

モノ

獣医学が日進月歩で進む昨今にあって、新しい医療機器がどんどんリリースされています。時流に乗って新しい機器の購入や、人気商品の仕入れを考えている方も多いでしょう。経営戦略を考えるうえで、それは決して悪いことではありません。しかし、すでに在庫を抱えていたり、購入したのに活用できていない機器があったりすれば、まずはそれを有効活用する方法を考えてみましょう。新しいモノの仕入れ・販売はうまく軌道に乗れればいいのですが、失敗すれば在庫を抱えることになります。「モノ」という資源を得ても、「カネ」という資源を失ってしまっては意味がありませんよね。そのようなことがないように、まずは今あるものをいかにして盛り立てるのか、考えてみましょう。

 

まったく使用していない機器があれば、それを使ったメニューを考えてみるのは最も手っ取り早い手段です。売れない商品の在庫を抱えていたら、ディスカウントしたり、まとめ売りしたりする手もあります。定価で販売するときよりも利益は縮小されますが、いつまでも在庫を抱えて、期限を切らせてしまうよりはよほど良いでしょう。移り気な経営者は次から次へとモノという経営資源を増やす傾向がありますが、増えすぎて取り返しがつかなくなる前に見直してみてください。

カネ

カネは前述のヒトやモノに比べて最も有効活用が難しいものであると私は考えます。動物病院によって保有している金額は大きく異なりますし、不動産などの資産や債券の有無によっても事情は変わってくるものです。長引く不況や物価高、コロナ禍といった不測の事態を受けて、「とにかくカネはあればあるほど良い」と考える方もいますが、私は決してそうとは思いません。わかりやすい例を挙げて説明すると、老朽化した設備を「まだ使えるから」といって修理・交換をしなかったとしましょう。確かにそれで問題なく使えるかもしれません。しかし、不衛生で不安定な状態の設備を見た飼い主さんからは「あそこの動物病院は不潔だから行きたくない」と、知らず知らずのうちに離反を生んでしまう可能性があるのです。このような可能性を考慮して、かけるべきところにはしっかりとカネという経営資源を有効活用するようにしましょう

 

人件費もそのひとつです。支出のうち、大きなウェイトを占める人件費をなるべく抑えたいと考えるのは至極当然のことですが、頑張っているスタッフにはそれ相応の給与・報酬を出すべきだと考えます。それによってスタッフのモチベーションは上がり、結果的にあなたの動物病院に良い変化をもたらしてくれる存在になるかもしれません。

今ある経営資源の見直しにリスクはなく、むしろプラスの変化が生まれることもあるでしょう。時々は今ある経営資源の整理をしてみてはいかがでしょうか。それによってあなたの動物病院の課題や有効な資源の活用方法が見つかるかもしれません。

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