ラップトップを使用している人

新商品や力を入れたい診療サービスを、飼い主さんにおすすめすることがありますよね。

しかし、すべての飼い主さんが購入してくださることはまずないでしょう。

むしろ断られることのほうが多いかもしれません。

推したい商品であればあるほど、強く説得したくなりますが、人はゴリ押しされると断りたくなるものです。

営業力の高いセールスパーソンの多くは、ひたすら顧客を説得する「押しの営業」だけではなく、一旦引き下がる「引きの営業」も心得ています。

このふたつの営業方法を効果的に使い分けることによって、商談成約率はグッと高まるでしょう。

今回は引きの営業を身に付けるコツを紹介します。

引きの営業が難しいと言われる理由

白い木製のテーブルでラップトップを使用している人

自動車でも住宅でも、一般的に押しの営業をしている担当者のほうが多いように感じられます。商品の紹介だけして終わりにする担当者は珍しい印象です。一体なぜ押しの営業のほうが多いのでしょうか。それは押しの営業のほうが簡単だからです。ひたすら「購入してください」と説得することで、根負けした顧客が購入してくれる可能性は上がりやすくなります。

反対に、一度断られてあっさり引いてしまうとそれっきりになってしまい、成約に結びつくことはごくまれです。既存顧客からは「やる気のない営業担当者」とみなされてしまうかもしれません。限られた営業チャンスをものにするために、「押しの営業が正義」という考えを持ち、担当者は頑張りすぎてしまうのです。

引きの営業が難しい理由は他にもあります。そもそも顧客が商品やサービスに興味を持ったり、メリットを感じたりしなければ、どんな営業を仕掛けても購入にはいたりません。逆に言えば、顧客の潜在ニーズを把握できている営業担当者は引きの営業スタイルでも十分に成約を見込めるはずです。しかし、顧客自身が理解できていないこともある潜在ニーズを、営業担当者が即見極めるのはそう簡単なことではありません。結果的に、もっとも手っ取り早い押しの営業に走ってしまうのです。

引きの営業テクニックで成約率を高めるためには

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決して簡単ではない引きの営業スタイルですが、身に付けておいて損はありません。そもそも、ゴリ押しの営業をされて喜ぶ人はまずいないでしょう。顧客の言い分を受け入れたうえで、自然と購入への導線を敷くことができるセールスパーソンであれば、周りに敵を作ることなく、気持ちの良い商談ができます。

引きの営業テクニックを身に付けるためには、商談時には以下の流れを意識しましょう。

飼い主さんの潜在的なニーズをリサーチする

「自分がこの商品を売りたいから顧客を何とか説得する」という姿勢では、いくら粘っても飼い主さんの心には届きません。本当に相手が必要としている商品を考え、提案するようにしましょう。初対面の飼い主さんのニーズを把握するのは難しいかもしれませんが、常連の飼い主さんであれば、カルテを見直してみることでヒントが見えてきます。予防接種に何度も通ってくださっている飼い主さんであれば予防接種の回数券を、ダニに悩まされているペットを飼育している飼い主さんにはトリミングチケットを勧めてみましょう。

セールストークの内容に気を配る

飼い主さんに商品の紹介を行ったら、勧めるフェーズに移りますが、ここで「ぜひ購入してみませんか?」とテンション高く勧めると、押しが強い印象になってしまいます。引きの営業テクニックを身に付けるためには、このときのフレーズにひと工夫を加えましょう。「購入は飼い主さんのご判断におまかせします」と、飼い主さんの意思を尊重する姿勢を見せつつ、「現在大変好評で先月は〇個売れました」「限定商品なので、数に限りがあります」など、購入意欲をそそるような一言をさりげなく付け加えましょう。客観的な事実を伝えているだけなので、押しつけがましい感じはしませんよね。以前こちらのブログでも紹介した、希少価値の高い商品が欲しくなる「スノッブ効果」という心理をくすぐることで、何らかのリアクションが起きるかもしれません。

断られたときには潔く引いて、次のチャンスを待つ

押しの営業でも引きの営業でも、断られるときには断られるものです。そのようなときに焦って説得しようとすると、結果的に押しの営業になってしまいます。飼い主さんに不快感を与えることになるかもしれません。セールスに焦りは禁物です。特に初回は断られたら潔く引き、次のチャンスを待ちましょう。飼い主さんから相談を持ち掛けられたときや、商品がリニューアルしたときなど、チャンスが訪れたと思ったら機会を逃さずに話を持ちかけるようにしてください。

セールスのベストタイミングは飼い主さんによって異なるものです。あなたが推したい商品があったとしても、すべての飼い主さんに刺さるとは限りません。良好な取引ができるように、押しの営業だけではなく引きの営業テクニックも身に付けるようにしましょう。

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