
「とても良い商品で、積極的に飼い主さんにも勧めているのに売上が伸びない」と思った経験はありませんか?
思い当たる節があるなら、その商品をどのように勧めているのか、一度振り返ってみてください。
動物病院で取り扱う療法食やサプリメント、デンタルケア用品などは、ペットの健康維持に役立つものばかりです。しかし、どれほど優れた商品でも、その価値が伝わらなければ選んでもらうことはできません。
特に注意したいのが、商品の特徴ばかりを説明してしまうことです。もちろん商品の特徴を伝えることは大切です。しかし、それだけでは飼い主さんの心は動きません。
今回は、商品の価値をより効果的に伝えるための考え方についてお話ししたいと思います。
また、以下の記事でも同じテーマを取り上げていますので、今回の記事と合わせてお読みください。
関連記事:良い商品なのに伝わっていない?動物病院の提案力を高める方法
商品説明だけではNGな理由
商品の説明をするとき、多くの人はまず特徴を伝えようとします。例えばシャンプーであれば、「保湿成分が配合されています」「毛並みにツヤが出ます」「皮膚に優しい成分を使用しています」といった説明になるでしょう。
これらは、けっして間違いではありません。しかし、飼い主さんが本当に知りたいのは商品のスペックではないのです。
本当に知りたいのは、使うことで起きる変化や、悩みを解決できるのかどうかということです。例えば、「保湿成分が入っています」よりも、「乾燥によるかゆみが気になる子には特におすすめです」のほうがイメージしやすくなります。
商品の特徴はあくまで入口です。その先にある価値や体験まで伝えて初めて、飼い主さんは商品に興味を持つのです。
AI時代に求められるのは「その子に合う理由」

今の時代、商品の特徴は簡単に調べることができます。ホームページを見れば成分や効果は掲載されていますし、SNSや口コミサイトでも情報収集ができます。最近ではAIを活用して商品について調べる飼い主さんも珍しくありません。
つまり、商品の説明書に書かれているような内容を繰り返すだけでは、動物病院ならではの価値を提供できないのです。
では、獣医師やスタッフだからこそ伝えられることは何でしょうか。それは、「なぜこの商品がその子に合っているのか」という理由です。
例えば、「最近体重が増えてきている」「歯石が付きやすい体質である」など、その子の状況を踏まえて提案することで、飼い主さんは商品の必要性を理解しやすくなります。
情報があふれている時代だからこそ、個別性のある提案が価値を持つようになっているのです。
商品価格についても触れよう
商品の特徴だけではなく、価格の説明も重要です。なぜなら飼い主さんの多くは商品価格を気にするものだからです。あまりにも安価な商品であると、「こんなにリーズナブルな商品で本当に効果はあるのか?」と考えることがあります。それも価値と価格のバランスを伝えてあげることで、飼い主さんも商品を選択しやすくなります。
例えばサプリメントを紹介する際、「月額〇円です」だけでは不十分です。それよりも、「今のうちから関節ケアを始めることで、将来的な負担を軽減できる可能性がありますよ」と説明したほうが価値は伝わるでしょう。
療法食も同じで、価格だけを見れば一般的なフードより高く感じるかもしれません。しかし、それを「体重管理や健康維持をサポートするための食事です」と伝えることで、単なる出費ではなく健康への投資として捉えてもらいやすくなるのです。
価格の伝え方については、以下の記事もご覧ください。きっと参考になるはずです。
普段のコミュニケーションも大切に

同じ商品であっても、飼い主さんから買ってもらえるセールスマンと、そうではないセールスマンが存在します。両者の違いはどこにあるのでしょうか。一番大きいのは、そのセールスマンとお客様の関係性です。両者の関係性が近ければ近いほど、商品を勧めたときに飼い主さんは「この人が勧めるのであれば間違いないな」と思って、購入してくれる可能性が高いと言えます。このような関係性をつくることで、トークスクリプトをつくる必要がなくなってきますし、一度の説明で購入してもらいやすくなるのです。
そのためには普段から飼い主さんと積極的にコミュニケーションを取って、どんどん距離を縮めていきましょう。両者の距離が縮まれば、商品もスムーズに勧められるようになるものです。
飼い主さんとのコミュニケーションに自信のないあなたは、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:ペーシングで気持ちの良いコミュニケーションを図ろう
商品の先にある未来を伝えよう
「この商品を売りたい」という気持ちが強ければ強いほど、商品の特徴ばかりを強調してしまいがちです。しかし、飼い主さんが求めているのは商品の特徴ではなく、その商品を使うことで得られる未来です。
健康な状態を維持し、ペットとより長く快適に暮らせる未来を想像できたとき、飼い主さんは初めて商品に価値を感じます。
だからこそ、商品の特徴だけを並べる説明では不十分なのです。動物病院における提案は、単に商品を販売するためのものではなく、飼い主さんとペットにとってより良い選択肢を届けるためのものです。
商品の説明をするときは、スペックだけで終わらせず、その子に合う理由や悩みを解決できるものなのかどうかを伝えましょう。そこまで伝えられるようになれば、商品の価値は今まで以上に伝わるようになるはずです。商品の説明だけに留まらない、温かみのある話し方をして飼い主さんの心を捉えていきましょう。
獣医師に求められる提案力については、以下の記事も参考になりますので、最後に紹介させていただきます。
関連記事:動物病院の経営者に求められる提案力とは
